瀬取りが見つかってレーダー照射か

韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦が自衛隊機に対してレーダー照射(2018年12月)
韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦が自衛隊機に対してレーダー照射(2018年12月)
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韓国によるレーダー照射問題について、何かモヤモヤしていたのだが、小野寺前防衛大臣の言葉でスッキリした。

ちょっと長くなるが紹介する。
「日本のEEZで日本の哨戒機が普通に飛んでいた。本来そこで操業してはいけない北朝鮮の漁船がいた。そばに韓国の軍艦と海上警察の船がいた。おかしいじゃないですか。それを何だろうとみている日本の哨戒機に、なぜこんなに敏感に反応するのか。動機について不信感を持っている。」

これは11日のBSフジ、プライムニュースでの発言だが、小野寺さんは韓国が洋上で北朝鮮の船に物資を移す瀬取りをしていたことを示唆したのだ。小野寺さん、グッジョブだ!

小野寺前防衛大臣
小野寺前防衛大臣

安保理へ提起を

もし、韓国が北朝鮮に瀬取りをしているところを、日本の自衛隊に見つかってレーダー照射をしていたのだとしたら、これは明白な国連安保理決議違反である。

小野寺さんが会長を務める、自民党安保調査会と国防部会の合同会議では、すでに安保理への提起を求める声が出ている。

韓国はあそこで北朝鮮と一緒に何やってたのか、ということだ。

実は「瀬取り」説については、何人もの専門家がすでに指摘していたのだが、前防衛大臣の発言は重い。これで流れは変わるのではないか。

安全保障理事会
安全保障理事会

山口二郎という学者が、「北朝鮮漁船の救助に忙殺されていた韓国軍の兵士は、接近してきた自衛隊機をうるさく思い、レーダーを照射した」と、韓国をかばう発言をして、「うるさいくらいで照射するかよ」とネット上で激しく批判されていたが、瀬取りをしていたんだとしたら、さぞかし「うるさく思った」だろうな、と思わず笑ってしまった。
 

アメリカにとって「不都合な真実」

 
 

しかし、「韓国が北朝鮮への瀬取りをしてました。それを見つけた日本の自衛隊機にレーダー照射しました。これは安保理決議違反です」という日本の言い分は米国にとっては「不都合な真実」である。

なぜなら中国やロシアはともかく、一応米国の同盟国である韓国は北朝鮮への瀬取りはしないことになっているからだ。

日本が安保理に提起しようとすると、米国の官僚は反対するかも。だから安倍首相は直接トランプに電話して、「安保理に出すからよろしく」と言わねばならない。

日頃おとなしい日本が安保理に提起すれば、みんなびっくりするだろう。ただ常任理事国のうち中露は反対するが、英米仏は日本を支持する。いや、プーチンも習近平も、今、安倍さんを簡単に袖にはできないはず。おもしろくなるかもしれない。

国際司法裁判所への提訴もいいが、韓国が拒否するのでたぶん裁判は開かれない。だから安倍さん、国連でひと暴れしませんか?

執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫

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平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ客員解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て報道局上席解説委員に。2024年8月に退社。