さて、過剰なアルコール摂取によって引き起こされる肝臓の障害を文字通り「アルコール性肝障害」と総称しますが、アルコール医学生物学研究会は、純アルコール(純エタノール)を1日60グラム以上摂取することによる肝障害をアルコール性肝障害と定義しています。

このことから、「過剰な飲酒」の基準は1日60グラム以上のアルコール摂取と言うことができます。

女性は少ないアルコールで肝障害になる傾向が(画像:イメージ)
女性は少ないアルコールで肝障害になる傾向が(画像:イメージ)

また、男性よりも女性のほうが少ないアルコール摂取量で肝障害になる傾向があることが分かっていて、1日40グラム以上のアルコール摂取を5年以上続けると、女性はアルコール性肝障害になる危険性があります。

こうしたことを踏まえて、まずはNN型の人は1日60グラム以下、ND型の人は1日40グラム以下のアルコール摂取量に留めるという「減酒」をお勧めしています。

純アルコール量60グラムの目安は、ビールであればジョッキ3杯、日本酒は3合、ワインはグラス4~5杯、缶酎ハイ(350ミリリットル)の場合は3缶、焼酎はロックで3~4杯です。ジョッキのビールで考えると、4杯飲んでいた人が1杯減らすと純アルコール量は60グラムとなり、3杯飲んでいた人がやはり1杯減らすと40グラムに収まる計算になります。

肝臓はボディブローに弱い

大事なのは、この「減酒」を継続していくことです。そこには肝臓という臓器の、他の臓器にはない特性が関係しています。