記録的な猛暑の影響で、トマトなどの夏野菜がピンチに陥っている。スーパーに並ぶ野菜の価格は、4月に比べて最大で1.5倍に。また、レタスやリンゴなどにも“異変”が起きており、農家からは「ちょっと今年は異常です」と嘆きの声が聞かれた。

トマト高温障害で細長く…農家「夏は高騰してしまうのでは」

肌で感じる連日の猛暑と異例の短い梅雨が野菜の価格を直撃。
スーパーに並ぶ野菜の価格は、4月に比べて最大で1.5倍ほど高い状態だ。

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夏野菜の代表格、トマトの1kgあたりの卸売価格は432円と、平年より高値が続いている。

新鮮市場いせや・福丸明男代表:
市場の入荷量が若干減ってきている。6月から暑い状態が続いているので、猛暑の影響・雨不足の影響が今回の高値の原因だと思っています。

名古屋市内のトマト農家を取材
名古屋市内のトマト農家を取材

愛知・名古屋市内のトマト農家を取材した。

トマトを栽培するハウス内の適正温度は25度。

トマトはイチゴのように細長くなる高温障害に
トマトはイチゴのように細長くなる高温障害に

ところが、梅雨明け以降、日中は40度を上回る日が続き、本来は丸い品種のはずが、イチゴのように細長くなる高温障害に見舞われていた。

それだけではない。

直射日光による「焼果」と呼ばれる現象も
直射日光による「焼果」と呼ばれる現象も

飯田農園・飯田実さん:
赤い部分と黄色い部分が混ざってしまって。

直射日光による「焼果(やけか)」と呼ばれる現象により、この農園では100kgから200kgほどのトマトの出荷を断念したという。

飯田農園・飯田実さん:
8月に入れば北海道からもトマトが来ると思うが、北海道でもこの暑さの影響が出て、今年の夏はトマトが高騰してしまうのではないかなと。

レタスは暑さで葉が傷む前に収穫…かなり小ぶりに

福岡県ではレタスに異変が起きていた。

福岡県ではレタスに異変
福岡県ではレタスに異変

店頭に並ぶレタスは1玉95円と一見お買い得に感じるが、かなり小ぶりだ。

店頭に並ぶレタスはかなり小ぶり
店頭に並ぶレタスはかなり小ぶり

かいぶつくん薬院店・篠原加代子店長:
これはもう“S”というか“2S”(サイズ)。小さいうちにドンドン取ってると思う。

暑さで葉が傷む前に収穫するため、これだけ小さな状態で店頭に並んでいるのだという。

早生品種のリンゴ「大きくないし赤くもなってない」

猛暑の影響は、秋の味覚にも暗い影を落としている。

愛媛・久万高原町のリンゴは…
愛媛・久万高原町のリンゴは…

愛媛・久万高原町の観光農園では、例年であればこの時期、早生(わせ)品種のリンゴは実が膨らみ、赤く色づいているというが…。

青木農園・青木正利さん:
こういう真っ青な状態。大きくないし赤くもなってない。

気温が高く、雨が少なかったことで、根の張りが悪く、養分が実に届いていないのではないかという。

列島を襲う記録的猛暑の影響は、しばらく続きそうだ。
(「イット!」 8月1日放送より)