本来なら冬眠しているクマが福島県の人里に出没。
朝から7時間以上にわたり、柿の木に居座り続け、柿をむさぼり続けた。

住宅の敷地内にある柿の木にクマ

大きな柿の木に浮かぶ黒い影…。

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ゆっくり枝の先の方まで移動している。
年の瀬が迫った18日。本来なら冬眠しているクマが福島県の人里に出没、その姿をFNNのカメラが捉えた。

記者リポート:
クマの目撃情報があってから6時間が経ちましたが、未だに柿の木の上に居座っています。毛繕いをするなどして、まったく下りてくる気配はありません。

福島県の北西部に位置する北塩原村。
18日朝8時頃、通行人が住宅の敷地内にある柿の木に登る体長0.5mほどのクマを目撃した。

本来であれば、冬眠の時期を迎えている“年の瀬のクマ”…。
しかし、カメラに映っていたのは柿をむさぼり、活発に動き回る姿だった。

記者リポート:
今ゆっくりとクマが動きはじめました。足場を確認しながら、ゆっくりと動いています。柿を食べる様子も見受けられます。

途中、自らの体を支えるには細い、木の枝の上でバランスを崩しそうになったり、顔をブルブルと左右に震わせる様子も…。

ただ、たくさんの柿の実がなったこの木を離れようとする様子はなく、枝の上を行ったり来たりしながら、実った柿を次々とむさぼっていた。

(Q.この時期の出没は珍しい?)
岩手大学農学部・山内貴義准教授:
珍しいと思います。本来であれば冬眠に入ってもいいんですけど…。

基本的には“冬眠している時期のため、年の瀬にクマが出没することは珍しい”と指摘する。
一方で、山内氏は、今回のクマが体長50cmほどの子グマであることに注目した。

岩手大学農学部・山内貴義准教授:
おそらく何らかの理由で親からはぐれてしまって、1匹残された状態で。ただ、お腹も空いているということで、柿の実を食べる。
今年生まれの個体であれば、おそらく冬眠の仕方がわからない。(だから)今、出没しているのではないかなと。

さらに、このあとも…。

岩手大学農学部・山内貴義准教授:
今年というか、来年の頭ぐらいにかけても、ちょっと警戒したほうがいいかなと思ってます。

朝から7時間以上にわたり、柿の木に居座り続けたこの“年の瀬グマ”だが、午後3時半前、麻酔銃を手にした関係者が登場。人的な被害はなく、柿の木は直ちに伐採された。

福島県は2026年1月15日まで、ツキノワグマ出没警報を延長し、警戒を呼びかけている。
(「イット!」12月18日放送より)