東京・赤坂の個室サウナで15日に発生した死亡事故の捜査で、非常ボタンが押された際にフロントへ知らせる受信盤の電源が切れていた可能性が判明した。
発火の理由は、サウナストーンにタオルが触れたことが原因とみられている。
警察は、ドアノブの不具合や安全装置の管理体制を含め、店側に過失がなかったか捜査している。
非常ボタンの電源切れとドアノブの不備
東京・港区赤坂の個室サウナで火災が起こり、利用客の夫婦が死亡した。

青井実キャスター:
元埼玉県警捜査一課の佐々木成三さんと見ていきます。
宮司愛海キャスター:
今回の火災で、美容室経営の松田政也さん(36)と妻の陽子さん(37)が亡くなりました。火災が発生した可能性ですが、サウナストーンにタオルが何らかの理由で触れたことが原因なのではないかとみられています。店内の別の部屋のドアノブを動かしたところ、少しがたついて不安定な状態だったということです。そして、サウナ室内の非常ボタンが押された際に、フロントに知らせる受信盤の電源が切れていたとみられることも新たに分かっています。
青井キャスター:
佐々木さん、16日から引き続いて新たに分かってきたことが出てきていますが、タオルが触れたことで火災になったという可能性や、非常ボタンの電源が切れていた。こういった状況をどう見ますか。

元埼玉県警捜査一課 元刑事・佐々木成三さん:
サウナというのは高温であって、密閉度が高いところです。その中で、一酸化炭素中毒や火災の予見をしなければいけません。予見されたリスクをどう回避しなければいけないのかということを点検しなくてはいけない場所です。
宮司キャスター:
こういった非常ボタンを個室サウナ店ではどのように管理をしているのか。今回の火災とは関係のない神奈川・川崎市にある個室サウナ店「ロウリューランド川崎」を取材しましたが、こちらのお店では、非常ボタンの電源はイメージでいうと自宅のブレーカーのようなものだと。普通に考えて消えているということは考えにくいと話しています。何らかの理由で電源を切ったときに戻し忘れたのではないかと指摘していました。
佐々木さん、受信盤が故障していたとか、故意に切っていたなど、いろいろ考えられますが、施設側の責任というのはどう考えればいいでしょうか。

元埼玉県警捜査一課 元刑事・佐々木成三さん:
こういった危険を予測する中で、危険リスクを回避するための非常通報ボタンは大きな役割があると思います。これが切られているのは考えられないと思います。通常ちゃんと作動するのかということも、毎回点検しなくてはいけないものではないかと感じています。
スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
しっかり捜査して、その捜査結果も開示してほしいです。サウナというのは、普通に使っていても体調が悪くなる可能性もある場所でもあって、ほかの店よりもリスクが高いと思います。その分だけ安全基準が高くないといけないんです。過失があったならば、設備や点検をしっかり守っているのにこうなったならば、基準規制をより厳しくしなければいけないと思います。当局も考え直してもいいかもしれません。
施設側に業務上過失致死の疑いも
青井キャスター:
そういった意味では、サウナである特殊性もあるのでしょうか。

元埼玉県警捜査一課 元刑事・佐々木成三さん:
捜査一課が入っているということは、業務上過失致死の捜査をしているということになります。お店側は、こういった一酸化炭素中毒や火災の予見がある中で、それを回避するためには非常通報装置のほかにもドアノブの点検もしなければいけませんし、ドアノブが壊れた場合にどう回避するのか。こういった構造も考えなければいけない中で、複雑なのが重なってこういう結果になったという責任は重いと感じます。

青井キャスター:
今サウナ人気で、サウナを利用されている方は非常に多いと思いますが、今後の捜査やポイントというのは、どうなってくるのでしょうか。
元埼玉県警捜査一課 元刑事・佐々木成三さん:
今回の死因がまだ判明しませんが、死因が一酸化炭素中毒となった場合は、お店の構造の問題が死因と直結しているとなり、業務上過失致死の疑いが強くなるわけです。これはかなり長期的な量の捜査ですが、警察はこの立証を緻密な捜査で積み重ねていくと感じています。
再発防止のためにも、早く原因が分かることを望みたい。
(「イット!」12月17日放送より)
