テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが特技のイラストを使って天気の豆知識を解説するコーナー。今回は「お盆を過ぎたら海に入るな」と言われる理由についてお伝えする。

今回の古山予報士、いつもと違う挨拶から入ってきた。「宮崎の皆さん、こんばんは。そして良質な波を求めて、県外から宮崎に来ているサーファーの皆さん、はじめまして」というわけで、今回は「海」の話題だ。

「お盆を過ぎたら海に入るな」と言われたことがある人も多いのではないだろうか。児玉アナも、よく祖母から言われていたという。お盆の時期は、霊が泳いでいる人の足を引っ張る…などの言い伝えもあるが、実はちゃんとした理由があるのだという。

古山予報士が続ける。まずは「クラゲ」。お盆の前後から、被害が大きくなりやすい「アンドンクラゲ」が出現する。そしてもう1つが「土用波」というもの。風がない中でも海岸に打ち寄せる、夏に出現する大波のことだ。その正体は、日本の南の海上にある台風がもたらす「うねり」だ。そしてことしは、お盆を過ぎなくてもこの2つに注意が必要だという。
大量の「電気クラゲ」が青島に…

29日は、宮崎市の青島海水浴場に「カツオノエボシ」というクラゲが大量に打ち上げられているというニュースが報じられた。世界一のクラゲ展示種類数を誇る、山形県にある鶴岡市立加茂水族館によると、ここ1週間、沖から陸に向かう東風が続いたことで、大量に打ち上げられたのではないかということだ。
「カツオノエボシ」は別名「電気クラゲ」といって、触ると電気ショックを受けたような衝撃を受けるという。見た目は綺麗だが、砂浜に打ち上げられているものにも決して触ってはいけない。
2つ目の理由は「台風によるうねり」

そして、もう1つの理由が、台風の影響による「うねり」だ。気になる進路図を見ていくと、台風8号はこのあとも大陸へ、台風9号は東日本方面へ向かう予想となっている。いずれも宮崎への直接の影響はなさそうだが、間接的に「うねり」で影響を及ぼしそうだ。日本付近は台風8号と台風9号以外に、もう1つ熱帯低気圧ができる予想。台風の卵がどんどん発生しやすい状態が続く見込みだという。

実は、波には2種類ある。1つ目が風浪(ふうろう)。風の影響で海面に発生する波。コップの水をふーっと吹くと、水面が波打つがそのイメージだ。それが遠くに伝わってできたものが、大きな波のうねりだという。見た目で気づきにくい「うねり」が陸近くの浅い海域に到達すると、大きな波に豹変することがある。海水浴客や漁師の方は、このうねりに注意が必要だが、サーファーの方にとっては、このうねりが、いい波となるようだ。

30日の「海予報」を見ると、波の高さは各地で2メートル50センチで、うねりを伴う見込み。ビーチは晴れて穏やかでも、隠れた大波・うねりに注意が必要だ。
(テレビ宮崎)