骨折する利用者が相次いだことで、利用停止とされていた滑り台の利用が、1ヵ月半ぶりに再開された。現場での安全対策はどう変わったのか?
利用者8人の骨折が判明
北九州市八幡東区の皿倉山の山頂に設置されている滑り台。全長30メートル、高低差9メートルのロングスライダーだ。

この滑り台の利用が7月19日、46日ぶりに再開された。

初日に滑り台で遊んだ子どもたちを待ち構えていたのは、大勢の報道陣だった。

滑り台の利用再開に大勢の報道陣が集まり、ここまで注目された理由-。それは、利用者8人が相次いで骨折したことだった。

2025年4月に新設された皿倉山の滑り台。山頂からの絶景を眺めながら楽しむことができる“新たな遊び場”として市民の間では、話題となっていた。

しかし、滑り台の開設後に負傷者が続出していたことが判明。6歳から12歳の対象年齢ではない利用者が、着地などの際にけがをして、8人が骨折したとの情報が寄せられたのだ。

前代未聞の事態を受けて北九州市は6月3日から滑り台の利用を停止。武内和久市長も現場を緊急視察するなどして事故防止に向けた安全強化策が練られてきた。
“滑り台サポーター”が滑り方を指導
その結果、北九州市は、着地場所のゴムマットの厚さをそれまでの2倍にしたほか、安全な滑り方を呼びかける大きな看板を新たに設置。

さらに、利用対象年齢を6歳から12歳までの子どもに制限した上で「足をきゅっと縮めたりしないで、まっすぐ伸ばして、靴を滑り台にくっつけて滑って下さい」と正しい滑り方を指導する『滑り台サポーター』まで配置した。

滑り台の利用再開初日。早速、笑顔を振りまきながら子どもたちが楽しそうに滑っていた。

利用した子どもは「仰向けで滑らないとか、靴でスピードを落とすとか(滑り台サポーターからの指導に)気を付けて。コントロールできました」と満足げだ。

保護者も「しっかり滑り方の説明もして下さって、安心しました。『楽しそうで良かったな』と思いました」と優しく子どもを見詰める。

北九州市は、サポーターの見守りを少なくとも夏休み中は続ける方針だという。
(テレビ西日本)