連日の危険な暑さで桜が悲鳴を上げている。富山県高岡市醍醐の桜並木では、葉が枯れて折れている部分もある。真夏なのに秋の風景を思わせる光景だ。

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早すぎる落葉、桜の熱中症

高岡市醍醐の桜並木では、連日の猛暑と空梅雨の影響で葉が枯れ始めている。枝先から茶色く変色した葉は、まるで秋の訪れを告げるよう。

県中央植物園によると、今年は例年より早い時期から暑さが続き、雨量も少ないため、桜の葉が枯れる現象が起きているという。特に街路樹として植えられた桜は、舗装された道路に囲まれ、水分が樹木に届きにくい環境にあるため、熱ストレスを受けやすい状態だ。

来春の花にも影響の恐れ

この現象で心配されるのは主に二つある。一つは来年の春に咲く桜の花付きが少なくなる可能性だ。桜は緑の葉をつけている間に光合成を行い、養分を蓄える。葉が早く枯れてしまうと、その時間が短くなり、翌春の花に影響を及ぼす。

もう一つの懸念は「狂い咲き」だ。夏に落葉してしまうと、桜が冬が来たと勘違いしてしまう。その後、気温が上昇すると春が来たと錯覚し、夏や秋に花を咲かせてしまう可能性がある。

水分補給で守る桜の命

一方、高岡市の古城公園では対策が取られている。例年より1か月以上前倒しでスプリンクラーを稼働させ、定期的に水やりを行っているおかげで、園内の桜は元気な状態を保っているという。

人間も植物も、この猛暑を乗り切るためには水分補給が欠かせない。熱中症対策をしっかりと行い、この危険な暑さを乗り切ることが大切だ。

富山テレビ
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