有名企業などをうたった「サーキュレーター」などの偽広告を「イット!」では伝えてきたが、今回実際に商品を購入した被害者の方を取材した。
購入者「開けてびっくり。だまされたと」
14日、「イット!」が訪ねたのは、埼玉・所沢市に住むAさんの自宅。
リビングのテーブルには、中国語とラクダのマークが書かれた箱が3つ。
取材ディレクターが持ってみると、めちゃくちゃ軽かった。

購入したAさん:
開けてびっくり、だまされたと。情けない。
箱の中から出てきたのは、「サーキュレーター」。
今問題となっている商品だった。

偽広告:
電源を入れた瞬間、1秒でエアコンみたいな涼しい風を送り出します。
先週、「イット!」が報じたサーキュレーターの偽広告。
広告動画では強烈な風量を、噴き出す白い煙で表現し、「1秒で室温を20℃下げる」などとアピールしていた。

Aさんも6月、YouTubeに表示された広告を見て購入を決意し、3台まとめ買いのセール価格約1万2000円をクレジットカードで支払ったという。
購入したAさん:
自分の分と子どもたちの。これだけ効いて、やっぱり涼しくなるんだったらね、孫たちも喜ぶからと思って。
ところが購入者からは、広告とは似ても似つかない商品が届いたとの声が続々と…。
その様子を伝える「イット!」の放送を見たAさんは、まさに自分が注文した商品だと、あぜんとしたという。

購入したAさん:
ああだまされたな。もうすぐ(箱に)しまいました。あきれて。
広告とはまったく違う風量の弱さなどにビックリ
届いた商品を組み立てて試してみたAさんは、広告とはまったく違う風量の弱さなどにビックリ!

実際に商品を使ってみると、羽根は回るが、風はかすかに感じるぐらいだった。
購入したAさん:
情けなくなりました、バカさ加減に。もうこのあたりで風がないですからね。
小さな羽根から出る風量は、“そよ風”程度だった。
サーキュレーターにビニールのひもをつけてみると、真ん中の部分にしか風が吹いていないのがわかる。
さらに広告では、首が自動で上下・左右に360度自在に動き、広範囲に冷気を送るハイテク商品だったが…。

購入したAさん:
(広告に)書いてあったのとまったく違います。上下はしませんからね、これは。
ーー自動で動くようなアレでしたっけ?
購入したAさん:
そうです。
ーーこれはもう…手でこう無理やりこうやらないとっていう。
届いた商品には、水平方向の首振り機能すらなく、首の角度は手動で動かすことしかできなかった。

購入したAさん:
広告宣伝に書いてあるものは全部ないんですよね。早く捨てたいです。
このサーキュレーターをめぐっては、広告に記載された企業や団体のすべてが関与を否定し、偽広告であることがわかっている。
大阪の発送元の住所に向かったが…
この商品を取り扱っているのは、どんな会社なのか。

Aさんのもとに届いた商品の送り状を見ると、大阪の業者の連絡先が記載されていた。
取材を申し込むため電話をかけてみたが、すぐに通話終了となってしまい、誰も応答する様子はなかった。

この住所に向かってみると、そこにあったのはマンションで、表札にその会社の名前はなかった。
マンションのオーナーを取材したが、送り状に書かれた業者は入居していなかった。
夏本番の陽気が続く中、取材を進めると同様の偽広告はほかにも。

偽広告:
大容量エアコンよりも早い冷房性能です。さすがに発売後すぐにヤマダ電機で1万台売れたわけです。
ネッククーラーの偽広告も。
この広告動画についても、ヤマダ電機は一切の関与を否定している。
次から次へと、さまざまな商品で確認される偽広告。
もしも購入してしまった場合、どうすれば被害を最小限で食い止められるのか、弁護士に聞いた。

橋下綜合法律事務所・去来川祥弁護士:
まずクレジットカード会社に問い合わせることができれば、支払いがまだできていないのであれば、支払いを止めることができるかなとは思うんですよね。
(「イット!」7月14日放送より)