参議院選挙の最新情勢。

与党が過半数維持に向け厳しい戦いとなっている一方、野党側では参政党が大きく議席を伸ばす勢いです。

今月20日に投開票が行われる参議院選挙。

FNNが電話による世論調査(12日~13日実施)と取材から分析した中盤の情勢では、自民党は、先週の調査でリードしていた「1人区」の半分ほどの選挙区で野党候補に接戦に持ち込まれるなど苦戦。

公明党も選挙区に立てた候補者の多くが当落線上で、与党は、全体の過半数維持に必要な50議席の確保に向け、厳しい戦いとなっている。

参院選の最新情勢は
参院選の最新情勢は
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■野党側でも明暗が分かれる

一方、野党側でも明暗が分かれている。

立憲民主党は、選挙区で改選議席を上回る勢いですが、比例で伸び悩んでいる。

日本維新の会は、地盤とする近畿以外で支持の広がりがなく、共産党も、東京選挙区でリードしているほかは苦戦している。

これに対して、国民民主党は首都圏や東海の選挙区で優勢、比例でも倍増の勢いだ。

そして、躍進する可能性が高まっているのは参政党。

比例で全国的に勢いがあり、改選3以上の選挙区で先行する候補者も複数いて、現時点では議席を2桁に乗せる情勢。

このほかの政党は、以下の情勢となっている。

れいわ新撰組(改選2):比例で複数の議席を獲得する見込み
社民党(改選1):比例で議席を得る可能性
日本保守党(改選0):比例で議席を得る可能性

躍進する可能性が高まっている参政党
躍進する可能性が高まっている参政党

■4つの改選議席を19人で争う激戦の大阪選挙区では

参政党は関西の選挙区でも勢いを見せています。

4つの改選議席を19人で争う激戦の大阪選挙区。

これまで日本維新の会が2つの議席を守り続けてきましたが、FNNの最新の調査に取材を加味した分析では…

日本維新の会の新人、佐々木理江さん(42)に加え、参政党の新人、宮出千慧さん(40)がやや優勢となっている。

維新・佐々木候補:ばらまき政治は絶対やらない。この大阪から日本を変えていく。
参政・宮出候補:すごい数の方が集まっていただいて本当にありがとうございます。

大阪選挙区の候補者
大阪選挙区の候補者

■4つの改選議席を19人で争う激戦の大阪選挙区では

2人のあとを自民党の新人、柳本顕さん(51)と公明党の現職、杉久武さん(49)、日本維新の会の新人岡崎太さん(57)、そして国民民主党の新人、渡辺莉央さん(30)が追う展開となっている。

自民・柳本候補:ニュー柳本として今回の戦いに臨んでまいります。
公明・杉候補:減税も給付もしっかりやっていく必要がある。
維新・岡崎候補:与党を過半数割れに持ち込んでいけば次の改革が生まれるチャンスが来ます。
国民・渡辺候補:この夏をみなさんの手取りが増える夏にしたいと思います。

大阪選挙区の候補者
大阪選挙区の候補者

■3つの改選議席を13人で争う兵庫選挙区の戦いは

続いて兵庫選挙区。3つの改選議席を13人で争う選挙区だ。

無所属の新人で前明石市長の泉房穂さんがやや優勢。

兵庫選挙区の候補者
兵庫選挙区の候補者

■3つの改選議席を13人で争う兵庫選挙区の戦いは

そのあとを自民党の現職、加田裕之さん(55)、公明党の現職、高橋光男さん(48)、そして参政党の新人、藤原誠也さん(37)が追う展開で、こちらも参政党が存在感を増している。

兵庫選挙区の候補者
兵庫選挙区の候補者

■2つの改選議席を9人で争う京都選挙区

そして2つの改選議席を9人で争う京都選挙区。

日本維新の会の新人新実彰平さん(36)と自民党の現職、西田昌司さん(66)がやや優勢となっている。

そして、共産党の現職、倉林明子さん(64)と立憲民主党の新人、山本和嘉子さん(57)が追う展開だ。

全国的に接戦の選挙区が多く、投票の態度を決めていない有権者もいるため、今後情勢が変わる可能性もある。

京都選挙区
京都選挙区

■「自民党内では参政党の伸長へのものすごい危機感」「悲観論が早くも」

自民党現職3人に取材をした共同通信社編集委員の太田昌克さんは、「自民党内では悲観論が早くも漂い始めている」と解説した。

共同通信社編集委員 太田昌克さん:けさから自民党の閣僚経験者を含む3人の国会議員、1人は改選を迎えた参議院議員のベテランなんですけど、三者三様の言い方しながらも共通しているのは、参政党の伸長に対するものすごい危機感を表明していましたね。オールド政党、既存政党への飽きが有権者の不満につながって、第三極である参政党に流れてるんじゃないかという分析を示してました。(与党)過半数割れも今の状況ではあり得るということなんですが、自民党内では悲観論が早くも漂い始めて、場合によってはポスト石破の議論も出始めたのが実情かと思います。

共同通信社編集委員 太田昌克さん
共同通信社編集委員 太田昌克さん

■参政党が支持を集める背景は

関西テレビ・加藤さゆり報道デスク:各陣営は、参政党が今後どう数字を伸ばしていくか気にしていました。参政党がなぜ支持を集めているかというと、これまでの選挙のやり方や訴え方を同じようにしていても響かない。物価高など閉塞感漂う中で、やはり新しいことを何か変革を起こしてくれるところに期待をしたいっていう声がSNS上でも強く高まってるんですよね。そういったところに参政党はうまく切り込んでいるんじゃないかと非常に警戒感を示していました。

投票の態度を決めかねている有権者も多く、今後の情勢は変わる可能性がある。

(関西テレビ「newsランナー」 2025年7月14日放送)

関西テレビ 加藤さゆり報道デスク
関西テレビ 加藤さゆり報道デスク
関西テレビ
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