地域住民の足として、日々、県内各地を走る路線バス。しかしバス業界では、労働時間の長さや高齢化の進行により、バス運転士が不足している。そんな中、宮崎県の宮崎交通では、20歳の女性が路線バスの運転士を目指して乗務訓練をスタートさせた。女性がバス運転士を目指す理由と奮闘ぶりを取材した。
目指したきっかけは「父が運転するかっこいい姿」

2025年5月、宮崎市の営業所でバスの乗務訓練を始めたのは宮崎市出身の山﨑くるみさん20歳。宮崎商業高校を卒業し、宮崎交通に入社してから約1年間、事務の仕事をしていた。入社2年目の4月から教習所に通い、5月末には見事、大型二種免許を取得。夢への第一歩を踏み出した。

宮崎交通 山﨑くるみさん:
私の父が大型トラックの運転をしていて、運転している姿がかっこいいと思って憧れがあった。宮崎商業高校で接客やマナーなども学んで、接客の仕事もしたいし、運転士になろうと思った。
乗務訓練初日 教官は「センスある」

乗務訓練初日は、大型バスの運転席の調整やエンジンのかけ方などから教わった。

宮崎交通 山﨑くるみさん:
死角も多いし、自分の感覚で行ったらぶつかってしまうし、色々な所を確認しながら運転するのがとても大変だと思った。
これまで60人以上の運転士を育ててきた教官の上田さんは、訓練初日の山﨑さんについて…

宮崎交通運行管理部 上田勝士さん:
センスはあると思っている。ぶつけないで車庫内にまっすぐ入れていたので、かなり先が楽しみ。素直に聞いてくれるので、それが一番だと思う。

宮崎交通 山﨑くるみさん:
笑顔で運転して、お客様にも笑顔を届けて、安心安全な乗務をしていきたい。

山﨑さんは約1カ月後に会社での最終試験を受けて合格すれば、路線バスの運転士としてデビューする。
(テレビ宮崎)