男子プロバスケットボール「広島ドラゴンフライズ」の専属パフォーマンスチーム・新メンバーの選考が進む中、透明感あふれる歌声で聴く人の心をつかむ女性がいる。彼女が胸に秘めるのは、地元・広島への愛だった。

※この記事は【全3回シリーズ】の第1弾です。

歌唱力抜群! 社会人2年目の挑戦

広島を拠点に活動するBリーグの「広島ドラゴンフライズ」。その試合を華やかに盛り上げる専属パフォーマンスチームのオーディションが進められている。

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多彩なスキルが求められる今回の選考。ダンス、歌、MC、さらにはバトンやバレエまで、二次審査では候補者たちが個性を競い合い、しのぎを削っていた。広島ドラゴンフライズ・浦伸嘉社長は「ダンスはもちろん、歌もあればいいかなと。表現の幅を広げていきたい」と話す。
オーディションは、書類による一次審査、実技と面談を行う二次審査、そして個人PRのライブ配信による最終審査という三段階で行われる。
果たして“クラブの顔”に選ばれるのは誰なのか?

ひと際注目されたのが、二次審査でイタリア語のオペラを披露したRIKOさん(23)だ。
広島・府中町出身のRIKOさんは、現在広島市内の企業で働く社会人2年目。大学時代は競技チアリーディング部に所属し、人を応援する喜びを肌で感じてきた。
「ドラゴンフライズを中心にスポーツ界を盛り上げていきたいと思い、今回応募しました」

実は、職場の中には彼女の挑戦を知っている人も。「テレビでオーディションを見たよ」と声をかけてくれることもあるという。
「もし受かったら、今の仕事は退職します。『やりたいことがあるなら応援するよ』と言ってくれているので頑張りたいです」

練習は仕事終わりのカラオケルーム

RIKOさんの最大の武器は、その歌声。
「歌うことが好きになったきっかけは小学生のときに先生に褒められたこと。自分の思いや言葉にできない感情を、歌でなら伝えられる。そこが魅力です」

小学生のころのRIKOさん
小学生のころのRIKOさん

週2回、仕事終わりにひとりでカラオケルームへ。1時間の練習を重ね、95点以上の高得点を叩き出す。
「97点が出たらちょっと満足。でも95点じゃ、まだまだダメですね」

歌う仕事に就きたい――そう思って、これまでに何度もアイドルオーディションに挑戦してきたが、20歳を過ぎてからのスタートだったという。
「もっと早く受けていればと思うこともあったけど…。合格できなかったのも、このオーディションに出会う運命だったのかなと…」

最終審査は“配信”でアピール

二次審査を突破した15人が最終審査に臨む。最終選考は7月13日まで実施された“個人PRのライブ配信”。
RIKOさんは慣れた手つきでスマートフォンをセットし、画面越しの視聴者に笑顔で手を振った。

部屋から応援者にライブ配信

その背景には、広島ドラゴンフライズのタオルや応援グッズとともに「No.9 RIKO」と書かれた手書きのPRボードが掲げられている。
自分を応援してくれる人へ届けようと、テンポよくコメントを拾いながら配信を続けるRIKOさん。「配信だとメイクが薄く見えてしまうので、涙袋の影やアイシャドウを少し濃くするのがポイント」と、細やかな工夫も欠かさない。

コメントへの反応、配信中の振る舞い…どれも“経験値の高さ”を感じさせる。
ーー配信に慣れている?
「2021年ごろからずっと配信をしていて4〜5年くらいになります。コメントを見逃さないように気をつけたり、内輪だけに伝わる内容にならないよう、誰にでもわかりやすい話を心がけています」
その笑顔の奥には、彼女がこのオーディションにかける熱意がにじんでいた。

「大好きな地元・広島のスポーツチームを盛り上げる機会。こんな素敵な挑戦はないと思うんです。だから人よりたくさん練習して、もっと輝けるように頑張ります」
過去に敗れた数々のオーディション。それでも、歌声に乗せて届けたい思いがある。
RIKOさんの挑戦はまだ終わっていない。

次回は7月15日17時配信。登場するのはオーディション“最年長”の挑戦者である。
48歳の彼女を突き動かしたものは何なのか。年齢をものともせず挑む姿に密着した。

(テレビ新広島)

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