ゴーグルをつけてキョロキョロしているのは 介護施設の新人職員。
これは VRで「認知症の症状」を擬似体験しているのです。

この映像は低い場所でもまるでビルの屋上から飛び降りるような恐怖を覚える認知症の症状を映像化したもの。

他にも、実際にいない人などが見える 「幻視(げんし)」や、自分がどこにいるかわからなくなる「記憶障害」など、VR映像を見ることで認知症の症状を当事者目線で体験する事ができます。

シルバーウッドVR事業部 黒田麻衣子さん:
認知症の人にどうしてあげたらいいかではなくて、皆さんだったらどうして欲しいかをグループで話し合ってみてください。

こう呼びかけるのは、VR研修の講師を務める黒田麻衣子さん。
認知症を自分ごととして体験することで誤解や偏見をなくしたいと8年もの間、全国を周り活動しています。
VR体験者:
どこに不安を感じているのかを知ろうとすることと、自分でも想像してみることが大事なのかなと。

シルバーウッドVR事業部 黒田麻衣子さん:
認知症があるから無意識のうちに「何もわからないでしょう」とか「何も話せないでしょう」と決めつけないで欲しい 。

実は黒田さんも過去にこのVR体験を受講した一人。
そこで認知症への誤解や偏見に気づいたことから “この体験をもっと多くの人に伝えたい”と 現在の会社に転職したのです。
VRでの認知症体験を広めることで 黒田さんが思い描く社会とは?

シルバーウッドVR事業部 黒田麻衣子さん:
自分とは違うものとして分断してしまうことが誤解につながったり、差別につながってしまう分断が解消されるような社会になったらいいなと思う。
認知症への理解を広める黒田さんの活動は明日も続きます。
(「イット!」5月7日放送より)