越前市は、福井県内でも外国人が多いことで知られていますが、人口約8万人のうち外国籍の市民は5800人あまりで、その割合は約7%。全国平均の3倍に当たります。そこで市は多くの人に互いの文化を理解してもらおうと25日、市内のこども園で保護者を巻き込んだイベントを開きました。
越前市のにじいろこども園は、外国籍の園児や医療が必要な子どもなど多様なニーズに対応するため、2024年4月に幼稚園と2つの保育園が統合してスタートしました。
園児158人のうちブラジルにルーツがあるのが58人と、3割以上が外国籍です。
25日は、豊作を願うブラジルの伝統的な祭りが開かれる時期に合わせて、日本とブラジル、互いの文化を楽しんで理解を深めようと「にじいろまつり」が開かれました。
園の職員は、牧場で働く人をイメージした衣装を身に着け、園児や保護者がブラジルの踊りなどを体験しました。
参加した人は―
「子供が踊ったりしていて楽しい」
「ブラジルから来て25年経つ。子供たちが、私が昔やっていた祭りに参加するのはう嬉しい。あまりブラジル人がいなかった頃は生活が難しかったが、今は困りごとはない」
「色んな言葉を話す友達がいるので勉強になっていていい。いろんな文化や髪の色も気にせず、みんなと仲良く過ごせる子になってほしい」
一方で園長は、外国籍の子供が多いことで直面している課題もあるといいます。「年長児くらいになるとポルトガル語で話す友達同士のコミュニティができ上がり、なかなかコミュニティが広がっていかない。日本語を使う機会が減ってしまうことが課題。いかに園の遊びの中で日本語を覚える取り組みをするか模索中」
子供たちや外国籍の職員が一緒に考えて催された、にじいろまつり。園児が自分らしく過ごすことができるよう、職員も日々、子供たちに寄り添い解決の糸口を見つけようとしています。