世界に誇る日本の伝統「神楽」。ユネスコ無形文化遺産登録をめざす総決起大会が、2025年5月、東京の参議院議員会館で開催された。総決起大会には、全国の知事をはじめ多くの関係者が参加。2028年度の登録を目指す、その道のりを見ていく。

ユネスコ無形文化遺産登録にむけて

この記事の画像(12枚)

日本からの候補決定は2025年10月から11月に行われる文化庁の文化審議会で決まると見られ、2026年3月末にユネスコに提案する。2026年の日本の候補は「書道」に決まっているため、「神楽」は2028年の登録を目指している。日本からユネスコに提案できる候補は1つだけで、他に「温泉文化」「俳句」「和装(きもの)文化」などが、提案を目指して活動している。

5月23日の決起大会は、「神楽」のユネスコ登録に向けた熱い思いを全国に届けようと開かれた。大会には、全国の知事をはじめ神楽の関係者や学識経験者などが参加した。

森山裕香子記者:
東京の参議院議員会館です。今から始まる大会を前に、高千穂の夜神楽が披露されています。

高千穂神社の宮司でもある全国神楽継承・振興協議会の後藤俊彦会長は、「神楽は、混乱の中でも、人々の祈りによって、必ず明るい世界がかえってくる という趣旨を持つ。日本、世界に夢を与えることができる」と挨拶した。

宮崎県の河野知事が「がんばろうコール」の音頭を取った。

宮崎県 河野俊嗣知事:
2028年「神楽」ユネスコ無形文化遺産登録を目指して、がんばろう!

おー!

神楽継承の意義

全国には4000を超える「神楽」があり、神楽を中心に地域の絆が受け継がれてきた。

しかし、少子高齢化で継承が難しい地域もある。関係者には「将来に受け継ぎ、地域の力を取り戻すことは使命」という思いがある。

岩手県 達増拓也知事:
日本の宝を世界の宝にするべく、2028年ユネスコ無形文化遺産登録を目指すことを強く宣言する

記者会見では…

宮崎県 河野俊嗣知事:
「神楽」という伝統文化を保存・継承していくことが地域の雰囲気、活性化につながっていく。我々の地域社会を将来に繋げていくことになると考えている。

全国神楽継承・振興協議会 後藤俊彦会長:
日本中が大切な神楽を一カ所残らず消えていくことがないように、応援し支え合って力を合わせることが第一歩ではないか。

「神楽」のユネスコ登録に向けては、2025年の秋にかけてが日本の候補になるための大事な時期だとみられていて、宮崎県は国への要望活動の継続や情報発信を行っていきたいとしている。

文部科学大臣に要望書を提出

決起大会の後、河野知事は、岩手県と島根県の知事、それに全国神楽継承・振興協議会の後藤俊彦会長と共に、文部科学省を訪問した。あべ俊子文部科学大臣に対し、「神楽」が日本を代表する文化遺産の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されるよう提案を求める要望書を提出した。

要望書では、2028年の登録実現に向けた関係省庁の連携強化や「神楽」の保存・継承へ後継者育成などでの支援を求めている。あべ大臣は「文化審議会でユネスコの提案案件として選定されるよう、文部科学省としても頑張っていく」と応じたということだ。

(テレビ宮崎)

テレビ宮崎
テレビ宮崎

宮崎の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。