タスクが進捗すると、つい、「・8月WBSの作成→1週間分完了」「・チームメンバー役割整理→完了」などとそのときの状況を書きたくなってしまいますが、ステータスを書くとタスク全体の把握がしづらくなります。
メモに書かれている文字は少ないほどいいのです。
完全に終了したものについては、リストから「削除」するのがおすすめです。仕事をどんどん進めて成果を出したいときには、過去は振り返らないこと。
「自分が何をやったのか」を可視化して達成感を得たいという気持ちはわかりますが、それは別の機会でやりましょう。タスクメモには未来のタスクだけを書くことで、シンプルに管理しやすくなります。
常に俯瞰し、ひらめきはすぐにメモ
複数のタスクを同時並行で手がけていると、無関係だと思っていたタスク同士がつながって新たなアイディアが生まれることがあります。

「タスクAで決めた方針がタスクBにも使えそうなので、タスクAの完了を少し待とう」というような場合です。このように気づきを得られたら、「すぐにメモする」クセをつけておくと仕事が捗ります。
このひらめきこそが、パラレルタスクの隠れたメリットの1つです。そのタスクに専念しているときよりも、リラックスしているとき、例えば通勤中や人との待ち合わせ中、あるいは別のタスクの最中にひらめくことも意外と多くあります。
タスクをパラレルでこなしていると、常に全体を俯瞰して見ることが求められるため、ひらめきが起こりやすい状態がつくられているのです。
ただし、ひらめきは、覚えておこうと思ってもすぐに忘れてしまうものです。1時間も別の物事に集中すれば、ひらめいたことすら思い出せないかもしれません。
だからこそ、ひらめいた瞬間、すぐその場でメモをするのです。パソコン作業中ならばメモ帳がおすすめです。外出中ならスマホのメモ帳がいいですね。
なお、エクセルなどにリスト化しようとするのはやめたほうがいいでしょう。一瞬のひらめきは、エクセル起動時の数秒のタイムラグの間にも消えてしまいかねません。

江村出
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社アソシエートパートナー。ITコンサルタントとして業界を問わず数多くの大企業の改革をリード。「人の2倍働く」をモットーに深夜残業・土日出勤を繰り返していた苦しい状況から、様々な模索や工夫を積み重ね、働く時間を大きく削減。創出した余力を活用し、社内外の活動を広く手がける。