上司の指示だけで真意は捉えられない
2つめは、上司から与えられた指示だけで、その真意を捉えきることが難しいからです。多くの仕事は、職位の高い方からミッションを与えられ、指示を出されて行います。
当然、上司は自分より高い視点から、多くの情報を持って仕事にあたっており、あなたの仕事は言い換えれば、上司の仕事から切り出されたものといえます。
上司はゴールにたどり着くための仕事の一部をあなたに割り当てているわけですが、細かく切り出された仕事だけを見ていても、本当のゴールは見えません。
ゴールが見えなければ、上司がどういう意図で指示を出しているのか、その本質を理解することはできないでしょう。意図がわからないまま作業を行っていては、高いアウトプットが出せるはずがありません。
大切なのは狙いを読み解くこと
出された指示という表層だけを見るのではなく、その本当の意図や狙いを読み解くことが重要なのです。
みなさんも、仕事で成果を出すために、まずはゴールを正しく捉えきりましょう。
上司に寄り添い、しっかりと会話を積み重ね、上司の気持ちをできる限り読み解くことで、言葉尻からはわからない「全体の中で求められている役割」を把握するのです。着手するのはそれからです。
少々極端に言えば、ゴール設定に9割のパワーを注いでも構いません。ゴール設定には、それだけの価値があるのです。
もしあなたが今、「指示された作業だけをこなせばいい」と考えているならば、その考え方は即刻捨てて、リーダーの視点で全体を見渡し、求められた指示の一歩先を見ながら「何のために」このタスクが必要なのかという理由を常に考えるクセをつけていきましょう。

江村出
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社アソシエートパートナー。ITコンサルタントとして業界を問わず数多くの大企業の改革をリード。「人の2倍働く」をモットーに深夜残業・土日出勤を繰り返していた苦しい状況から、様々な模索や工夫を積み重ね、働く時間を大きく削減。創出した余力を活用し、社内外の活動を広く手がける。