6月1日(日)、東京競馬場で“競馬の祭典”日本ダービー・GⅠが行われる。
今年の日本ダービーに出走できるのは、3歳馬7950頭から選ばれし18頭のみ。まさに競走馬にとって生涯一度きりの夢舞台だ。
また、日本ダービーを勝った騎手や調教師は、リスペクトを込めて「ダービージョッキー」や「ダービートレーナー」と呼ばれる。
このように、競馬に関わるすべてのホースマンにとって憧れのレースでもある。
2冠制覇へ ミュージアムマイル

今年の3歳馬の中で、唯一クラシック3冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)を狙う資格を持つのがミュージアムマイル。
皐月賞ではレースレコードを更新する圧倒的強さを見せつけた。皐月賞&日本ダービーの2冠制覇は、2020年コントレイル以来、史上25頭目の快挙となる。
鞍上は初コンビのD.レーン騎手(31)。レーン騎手は2023年に初コンビのタスティエーラで「ダービージョッキー」となった。初めての騎乗、いわゆる“テン乗り”でのダービー勝利は1954年以降なく、そのジンクスを打ち破ってみせた。今年も“テン乗り”で頂点に輝くか。

――ミュージアムマイルの印象
強い、良い印象を持っています。もちろん今まで出している結果もそうだし、間違いなく能力持っている馬だと思っています。ダービーで騎乗するのを楽しみにしています。
――“テン乗り”での日本ダービーについて
“テン乗り”については一切心配していません。ダービーも重賞ではないレースも、全く同じアプローチで同じように騎乗する事しか考えていません。これから普通の準備をしてダービーに向かいます。

2歳王者の反撃 クロワデュノール

“世代最強”の称号は誰にも譲れない。
無傷の3連勝で去年12月のホープフルS・GⅠを完勝し、2歳王者に輝いたクロワデュノール。しかし、皐月賞ではミュージアムマイルの末脚に屈して2着と初黒星を喫した。

デビューから一貫して鞍上を務めるのは北村友一騎手(38)。東京に舞台を移す日本ダービーに向けて、自信をのぞかせた。

――東京2400mについて
東京コース・2400mどっちとも、中山の2000mよりも良い方に向いてくれるんじゃないかなと思っています。
――意気込み
すべて関係してくださる方々が、本当にこの馬のためにベストを尽くして、とても良い状態に仕上げてくださったと思います。レース当日は馬のことを信じて、自分のことを信じて、いつも通りにやるべきことをしっかりとできればいいなと思っています。
共同通信杯覇者 マスカレードボール

皐月賞でミュージアムマイルとクロワデュノールに続き、3着に入線したのがマスカレードボール。直線では末脚を伸ばし、上がり3ハロンは2頭を上回るタイムをたたき出した。
また、左回りの競馬場を得意とし、東京では2戦2勝中。
共同通信杯勝ち馬として、2001年のジャングルポケット以来となる24年ぶりの日本ダービー制覇を目指す。
マスカレードボールを管理する手塚貴久調教師(60)には、調教師として史上5人目のクラシック完全制覇がかかる。

――得意の東京について
左が好きということもあるのでしょうけど、何より大箱の広いコースが向いているというのは間違いないかなと思います。身体は465㎏くらいしかないんですけど、非常に飛びが大きくて、調教でもコーナリングで若干後手を踏むところがあるので、そういった意味では東京コースがより良いというのは間違いないと思います。
――5人目のクラシック完全制覇について
意識してます。2年前は意識してなかったんですけど、あれで負けてから(ソールオリエンス2着)2年間は、ダービーに勝ちたいなと常々思うようになりました。1番難しいレースが残っているなとは思っていますけど、チャンスがある限りチャレンジしたいなと思います。
新星誕生か?ショウヘイは夢舞台でのアーチを描けるか
皐月賞組とは別路線からの参戦馬も侮れない。
ファンダムはデビューから毎日杯・GⅢまで3戦全勝。勝てば史上12頭目の“無敗のダービー馬”誕生となる。
また、ショウヘイも名前負けしない強さを持っている。前走京都新聞杯・GⅡでは2着に2馬身半差をつけ重賞初制覇。管理する友道康夫調教師(61)は、勝てば調教師として現役最多の日本ダービー4勝目となる。
史上初の親子3代制覇へ
今年は史上初の親子3代制覇がかかる馬が8頭出走予定。
キズナ産駒(祖父ディープインパクト)
エリキング、サトノシャイニング、リラエンブレム
ドゥラメンテ産駒(祖父キングカメハメハ)
エムズ、ファイアンクランツ、ホウオウアートマン、マスカレードボール
レイデオロ産駒(祖父キングカメハメハ)
カラマティアノス
皐月賞5着サトノシャイニングに騎乗する武豊騎手(56)は、ダービー歴代最多騎乗数(35回)、勝利数(6回)を持つ。

――祖父ディープインパクト、父キズナの子供で臨む日本ダービー
自分が乗って勝ってきた馬の子供、そしてさらに子供って、なかなか難しいことだと思うので、乗れるだけでも嬉しいですし、勝てば、本当に競馬の血統のドラマというのは感じますね。
――日本ダービーへの思い
本当にダービーは子どもの頃から憧れていたレースですし、何回乗っても何回勝ってもその気持ちは変わらないです。騎手として一番わくわくするレースですから、もう一度勝ちたいですよね。

第92回 日本ダービー(GI)
東京競馬場・芝2400m
1枠1番 リラエンブレム(浜中俊)
1枠2番 ショウヘイ(C.ルメール)
2枠3番 エリキング(川田将雅)
2枠4番 ドラゴンブースト(丹内祐次)
3枠5番 レディネス(横山典弘)
3枠6番 ファンダム(北村宏司)
4枠7番 ミュージアムマイル(D.レーン)
4枠8番 エムズ(戸崎圭太)
5枠9番 ジョバンニ(松山弘平)
5枠10番 トッピボーン(岩田望来)
6枠11番 ニシノエージェント(津村明秀)
6枠12番 カラマティアノス(池添謙一)
7枠13番 クロワデュノール(北村友一)
7枠14番 ホウオウアートマン(田辺裕信)
7枠15番 ファウストラーゼン(M.デムーロ)
8枠16番 ファイアンクランツ(佐々木大輔)
8枠17番 マスカレードボール(坂井瑠星)
8枠18番 サトノシャイニング(武豊)
去年は9番人気のダノンデサイルがダービー馬となり、鞍上の横山典弘騎手は最年長勝利記録を更新(56歳3カ月4日)した。
今年はどんなドラマが待ち受けているのだろうか。
日本ダービーは6月1日(日)午後3時40分に発走する。
みんなのKEIBA 日本ダービー・GⅠ
6月1日(日)午後2時40分から拡大放送
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/derby/