メガネをかけたままサウナに入ると、1度でもレンズが交換必須のダメージを負う可能性が高い…と聞いたら驚くだろうか?

実は、メガネは熱に対して非常に弱い。そして洗剤などにも弱いため、お風呂での継続使用も避けたほうがいいのだという。

「サウナやお風呂では、専用のメガネを使ってください」

そう呼びかけるのは、埼玉・行田市のメガネ店「サカタメガネ」店主の坂田頼彦さん。

(からぶきNG!メガネの正しいお手入れ方法はこちらの記事で)

「55℃以上の高温」はNG

サカタメガネには、「メガネをかけたままサウナに入ったら、レンズが変になっちゃって…」と相談に訪れる人が時折いるという。なぜ、サウナに入るとレンズがダメージを負ってしまうのだろうか。

サカタメガネ店主で1級眼鏡作製技能士の坂田頼彦さん
サカタメガネ店主で1級眼鏡作製技能士の坂田頼彦さん
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「現在市販されているメガネのレンズは、大半がプラスチック製です。プラスチックのレンズは熱を加えると膨張しますが、レンズの表面には反射や傷を防止するコーティングが施されており、コーティング部分はレンズと膨張率が異なります。そのため熱を加えると、コーティング部分にクラックと呼ばれるひび割れができてしまうのです」

筋のように見えるものは全てクラック。70℃のヒーターに約1分当てて出現(画像提供:坂田頼彦さん)
筋のように見えるものは全てクラック。70℃のヒーターに約1分当てて出現(画像提供:坂田頼彦さん)

高温下での使用がレンズやメガネ本体にダメージを与えることは、レンズメーカーも注意を呼び掛けている。

例えばレンズ業界大手のHOYAのレンズの取扱説明書では「高温(55度以上)にさらさないでください」との注意書きが。また、それに付随して、次のような注意も書かれている。

「高温にさらされたり、急激な温度変差により、コート膜にヒビ割れを生じることがあります」

「熱によってレンズが変形し、レンズがフレームから外れたり、度数が変化し、見え方に影響を及ぼすことがあります」

「サウナの中には持ち込まないでください」

坂田さんによると、たった1回のサウナでの使用でもレンズにクラックが入ることがあるという。

「フレームの多少の変形であれば簡単な修理で直る場合もありますが、クラックが入った場合はレンズ交換が必須と考えてください。そしてレンズ交換となれば、安めのお店でも1万円程度の費用がかかります」

入浴中のメガネの使用も実は避けたほうがいい。