大分県宇佐市の宇佐神宮で行われた将棋の名人戦七番勝負第4局。前夜祭の様子や、名人が選んだ「勝負めし」と合わせて、熱い戦いを振り返る。
対局の舞台となるのは、2025年に創建1300年を迎えた宇佐神宮。
16日午後、藤井七冠と挑戦者の永瀬拓矢九段が、宇佐神宮を参拝し、その後の関係者との記念撮影ではリラックスした表情も見せていた。

藤井聡太七冠 「一手一手をしっかり考え抜いて指していきたい」
名人戦は七番勝負で3連勝中の藤井聡太七冠が防衛に成功するか永瀬拓矢九段が巻き返すかが注目された。
前夜祭では、両棋士が次のように意気込みを語った。
ーー藤井聡太七冠
「一手一手をしっかり考え抜いて指していきたいと思っています」
ーー永瀬拓矢九段
「ここまでとても厳しいスコアですが私としては一戦一戦、ベストを尽くせているのではないかと思っています」

「千日手」が名人戦で6年ぶりに成立
そして迎えた初日。
先手の藤井七冠は、いつも通りお茶を一口飲んで飛車先の歩を突いて対局が始まった。。
しかし、初日は意外な形で幕を下ろした。同じ場面を4回繰り返す「千日手」が名人戦で6年ぶりに成立。
規定により翌日、指し直しとなった。
2日目、対局会場の隣の建物では、棋士がリアルタイムで解説する「大盤解説会」が開かれ、会場には抽選で選ばれた150人が県内外から訪れ、白熱の対局を見守った。

対局の行方とともに注目された「勝負めし」2人が選んだのは?
そして、対局とともに注目されたのが、名人たちの真剣勝負を支える「勝負めし」だ。
地元食材を使ったものなど宇佐市内の人気グルメ19品の中から、初日に藤井七冠が昼食に選んだは「うどんととり天のセット」だった。
サクサクのとり天と温泉卵を乗せたうどんの組み合わせ。今回の名人戦に合わせて考案された。
2日目の18日、店には早速、藤井七冠と同じメニューを食べたいと多くの客の姿がみられた。
客からは「藤井聡太君の食べたやつを食べてみたかったから来た」「これを食べて勝負に勝ってほしい」などといった声が聞かれた。

永瀬九段が藤井七冠に勝利
また永瀬九段が好んで食べたのが県産のいちご「ベリーツ」をふんだんに使ったスイーツだ。
2日間でこちらのパフェを4回、スムージーを2回オーダーしたという。
指し直しが行われた18日の対局では藤井七冠が序盤から優位に進めましたが、終盤に永瀬九段が逆転。
141手の激戦の末、今シリーズ初勝利をあげた。

ファン「鳥肌が立った。歴史上、伝説的な一局」
ーー永瀬拓矢九段
「内容としては非常に悪い将棋を指してしまったと思うので、その点は全然改善出来ていないのかなという気はする」
ーー藤井聡太七冠
「第5局では何とか良い将棋が指せるように頑張りたい」
東京から訪れたというファンは「鳥肌が立ちましたね。歴史上、伝説的な一局だったんじゃないかと思う」と興奮していた。
激戦となった対局のほか大盤解説や勝負めしなどで宇佐神宮や宇佐の街は大きな盛り上がりを見せた。
