北朝鮮の上流階級の子どもたちの中で、これまでご法度だった「シースルー」ファッションが流行している。その裏には、金正恩総書記の“娘”の存在があったという。一体どういうことなのだろうか?

ご法度だった「シースルー」が大流行

ピアノの伴奏に合わせて歌ったり、ブロックなどで遊んだりする、北朝鮮の子どもたち。

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女の子の服装をよく見てみると、袖の部分が透けて見える「シースルー」になっているのがわかる。

さらに、お絵かきやダンスをしている女の子も二の腕が見える「シースルー」ファッションだった。

北朝鮮事情に詳しい専門家に話を聞くと、これまでの北朝鮮の女性のファッションは肌の露出を減らした、保守的なものだったという。

甲南女子大学 鴨下ひろみ准教授:
北朝鮮の女性のファッションというのは、一言で言うと、非常にコンサバ(無難・保守的)ファッション。膝丈のスカートにブラウスといった清楚なファッションが主流で、砕けた印象を与えるファッションは好まれてこなかった。

「シースルー」のきっかけは金正恩総書記の“娘”?

子どもたちの服装に変化が起きたきっかけは、朝鮮中央テレビが5月15日に公開した映像だ。

金正恩総書記とともに新たな市街地の竣工式に参加したジュエ氏とみられる娘
金正恩総書記とともに新たな市街地の竣工式に参加したジュエ氏とみられる娘

金正恩総書記とともに、新たな市街地の竣工式に参加したのは、正恩氏の有力な後継者とされるジュエ氏とみられる娘だった。

ジュエ氏とみられる娘の服の袖がシースルーになっている
ジュエ氏とみられる娘の服の袖がシースルーになっている

正恩氏と並んで拍手をする娘は、紺色の服を着用し、袖がシースルーになっているのがわかる。

これまで正恩氏の娘は、日本円で約30万円のクリスチャンディオールの高級コートや、皮のコートにサングラスを着用するなど、庶民の装いとはかけ離れたイメージだった。

その娘がシースルーの服を着用した途端、子どもたちの服装が変化した理由を、専門家はこう分析する。

甲南女子大学 鴨下ひろみ准教授:
(ジュエ氏とみられる人物は)金正恩総書記の“娘”という立場ですので、子どもたちがそれをまねして着る。親がまねして着させるということで、“キム・ジュエ氏”の存在感であったり、影響力といったものが現れている。まねをすることによって、金正恩総書記への忠誠心っていうものが示されるという効果もある。

大人も「シースルー」ファッションを着用している

ジュエ氏とみられる娘が着用してから、子どもだけでなく、大人も着用するなど、北朝鮮で注目を集める「シースルー」ファッション。

今後、金正恩氏の娘は後継者としてだけでなく、「ファッションリーダー」としても存在感を増すのだろうか。
(「イット!」7月9日放送より)

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