自民党の西田昌司参議院議員が、ひめゆりの塔の説明を巡り「歴史の書き換え」などと発言した問題で、沖縄県議会では16日謝罪と撤回を求める抗議決議が可決されました。
与野党による文案の一本化に時間がかかり採決は午後10時を回っていました。
県議会の抗議決議では、自民党の西田議員による「ひめゆりの塔」を巡る発言について、「戦没者や戦争体験者を冒とくし、県民の尊厳を踏みにじるもので沖縄戦の実相を認識せず歴史を修正しようとするもの」と指摘しています。
そのうえで、西田議員に謝罪や発言を撤回することを求めたほか、自民党に対しては西田議員への厳格な処分を求めていて採決の結果、賛成多数で可決されました。
採決は午後10時を回り、与野党による文案の一本化に時間を要しました。
与野党の協議は午前から続き、与党側が決議文で「本土防衛のための捨て石」「軍隊は住民を守らない」と明記することにこだわった事に対し、野党は「守ろうとした軍人もいた」と文言の調整が続きました。
協議はこの日だけでも5回行われ、軍隊は住民を守らないという表現は削除し、「捨て石」を明記することで双方が歩みより決着しました。
早期の決着を目指し、与野党が歩み寄った一方で、中立の維新会派は決議文に西田議員への議員辞職や、離党勧告などより踏み込んだ対応を求めるべきだとして全会一致には至りませんでした。
維新の会・大田守議員:
抗議をするからには沖縄の尊厳を今後二度と棄損することがないようにするべきであります。抗議文には明確に西田参議院議員の発言撤回と県民に対して再度の心からの謝罪、及び議員辞職を求める
玉城知事は抗議決議が可決されたことについて「戦争の歴史的事実をどういう側面から捉えどう認識し、学んで伝えていくかは人によって受け止め方で問題になる」と述べました。
玉城知事:
全体像をしっかりといろんな場面を捉えて見ていく必要があると改めて私たちに考えさせた問題だなと思いました
県議会では今後、議員団を派遣し、西田議員本人や自民党本部へ直接抗議する事にしています。