熊本県内バス5社と熊本市電などで利用できる『半額パス』、全国初の実証実験として行われたこの事業で公共交通の利用が増え、経済効果は計約2億8000万円に上ったことが明らかになった。

『渋滞なくそう!半額パス』目標1500人

1枚2500円の専用ICカードを購入し会員になると、熊本県内全域で路線バスや熊本市電、熊本電鉄の電車を半額で乗れる『渋滞なくそう!半額パス』。

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2024年9月、実証実験開始を前に高田晋共同経営推進室長(熊本都市バス社長)は「いわゆるサブスクですが、常々やってみたいと思っていました」と話していた。

熊本県と熊本市の補助を受け2024年10月から2025年2月末までの5カ月間、実証実験が行われた。平日は午前9時以降、土・日・祝日は終日利用可能としたこの半額パス、会員1500人が目標だった。

半額パスの経済効果は約2億8000万円

5月12日に開かれた会見で、共同経営推進室の今釜卓哉さんは「1500人に売れれば〈御の字〉としていたが、目標を大幅に超える約5倍が購入し、約8000人という結果」と述べた。

これにより、まずバス利用者が前の年より、約9万2000人増えた。その効果についてだが、期間中の車の利用台数がのべ約10万台減少。その交通量減少効果を、約1億円とした。

また期間中の買い物などの消費効果は、約1億8000万円で、経済効果は合計約2億8000万円に上ったという。

費用の7000万円近くが補助金

共同経営推進室の高田晋室長(熊本都市バス社長)は「意外と車から転換した人が多かった。〈こんなにか〉とびっくりした」と述べた。

利用者アンケートによると期間中「公共交通の利用が増えた」と回答した人のうち、42%が自家用車から転換していた。

今回の半額パスの実験費用約8400万円のうち7000万円近くが、熊本県と熊本市の補助金で賄われたという。

交通事業者は、いずれも経営難、乗務員不足が続いていて、「今回のような実験を事業者だけで行うのは難しいが、公共交通の潜在能力を引き出すことができた」と総括。今後も利用促進の取り組みを続けていきたいとしている。

(テレビ熊本)

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