熊本県内全ての路線バスと熊本電鉄の電車でクレジットカードの『タッチ決済』が2月24日から可能になった。スタートしたタッチ決済を取材した。

導入初日 取材中大半はくまモンのICカード

熊本県内のバスと熊本電鉄の電車は「機器更新の費用が高額」だとして、Suicaなど全国交通系ICカードを使った決済システムを、2024年11月16日に廃止した。これは全国初のケースだった。

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そして全国交通系ICカードの機器更新より安価な、クレジットカードによる『タッチ決済』システムの導入を決め、準備を進めた結果、2025年2月23日までの3カ月余り、運賃の払いは現金か、地域限定型の『くまモンのICカード』のみだったが、24日からこれに『タッチ決済』が加わった。

『タッチ決済』はリップルマークがついたクレジットカードを決済用端末にかざして支払いを完了させるもので、カードの機能が設定されたスマートフォンでも決済が可能。注目の初日だが、熊本市の中心市街地では大半の人がくまモンのICカード、時折、現金払いで、タッチ決済をする人の姿はなかなか見られない。

バス利用者は「SUGOCA(全国交通系ICカード)が使えなくなってそれからくまモンのICカードに切り替えた」と話し、現金支払いをした学生は「まだクレジットカード作れないので」と話した。

スマートフォンをかざしてタッチ決済でバスを降りた人に話を聞くと「(タッチ決済)初めて使いました。前からインターネットで調べてタッチで乗れた方が現金を用意しなくていいので、便利で楽に乗れると思う。バスも使いやすくなった。これからはタッチ決済がメインになってくるかなと思う」と話す。

また、大分から受験で熊本にやってきたという親子は、2月24日から熊本でタッチ決済が可能になったことを伝えると、「初めて知りました。使ってみたいと思います」や「博多で電車に乗るときに使ったことがあるので、そういう感じなのかな」と話した。

『タッチ決済』周知へキャンペーンも

タッチ決済は、両替やチャージの必要がなく車内での乗務員の負担軽減にもつながるとされている。

バス各社などで構成する共同経営推進室の今釜卓哉課長は「大きなトラブルなく無事にスタートできている。今後はよりお客様に使ってもらえるように周知をやっていきたいと思っているので、ぜひお手持ちのクレジットカードで、バスの乗車をしていただけたらと思っています」と話した。

2月24日に熊本県内5社の路線バスと熊本電鉄では、計約800台でスタートしたタッチ決済、90分以内の乗り換えなら熊本市電も含め20円の乗り継ぎ割引もスタートしている。

周知活動としてバス各社などでは3月25日から31日までの1週間、タッチ決済なら運賃10%割引というキャンペーンも予定しているという。

(テレビ熊本)

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