作品が大きいがゆえに展示場所が限られる、芸術系大学で4年間学んだ学生たちの“魂がこもった卒業作品”の展示が、山形・最上町で始まった。数々の大きな絵画の展示場所は、廃校となった小学校。さながら学生たちの卒業作品を集めた「アート格納庫」だ。

若い感性が光る卒業作品を最上町で展示
町民が「すごい、すごい!」と絶賛していた勇ましいオオカミの群れを描いた作品。
口の部分だけ特殊な色づけを施し、見る角度によって輝いてみえるのが特徴的だ。

ほかにも、東北芸術工科大学の美術科で学んだ学生たちが4年間の集大成として描いた「卒業作品」が展示されている。
大きすぎて実家に持ち帰ることができず卒業していく学生が多く、最上町の有志が5年前から預かり、閉校した校舎などに保管する活動を続けている。
その一般公開が4月29日に始まった。

訪れていた町民は、「どの作品も素晴らしい。毎年ずっと来ているが、いつも感動している。山形市に出向かなくても、ここで作品を見られることが楽しみ。感動している」と話す。

閉校した学舎「アート格納庫」として地域活性化
この展示を仕切っているあまかけるプロジェクト共同代表の平社裕一さんは、「“アート格納庫”として、毎年20作品近く入ってくるようになった。ただ置くだけではおもしろくないので、一人でも多くの方に見てほしいという思いから公開を始めた」と話してくれた。

統合によって閉校した富沢小学校と赤倉小学校に展示された2025年の「新作」は計20点。
過去6年分・100点以上の作品群とあわせて展示しているという。
大作をずらりと並べられる十分なスペースがここにはある。

あまかけるプロジェクト共同代表・平社裕一さん:
子どもたちがキラキラと目を輝かせている。こんなに大きい作品どこに行っても見たことないし、学生たちの4年間の思い・魂がこもった作品を見て感性を豊かにしていただく。そういうお手伝いが少しでもできればと思う。
「アートギャラリーもがみ展」は旧富沢小など3カ所で、5月6日まで開かれている。

<アートギャラリーもがみ展2025年春 情報>
会場1:旧富沢小学校体育館
会場2:旧赤倉小学校
会場3:「おくのほそ道」赤倉ゆけむり館
入場料:300円(会場1のみ)、会員・高校生以下無料、会場2・3無料
時間:午前10時~午後4時
(さくらんぼテレビ)