自分が大切にしていることを重視するのであれば起業するしかない…と一歩踏み出した日のことを今でも覚えています。ワクワクより「やっていけるのだろうか」という不安の方がずっと大きかったのです。
「やってきたこと全てに意味がある。無駄なことは1つもない」

起業前から、言い続けてきた言葉ですが、もしかしたら私自身に言い聞かせていたのかもしれません。今は、過去の経験に助けられることばかりです。自分で選り好みしていたら得ていなかった経験も多くありました。
起業することは全く想像していませんでしたが、「やりたいことがないなら、やりたいことが見つかった時にチャンスを掴めるようキャリアを積もう!そして、いつでも選べる自分でありたい」と出来ることを増やしてきたことが、起業後の私を支えているのは間違いありません。
過去やってきたことがキャリアの礎に
自分のキャリアの現在地は、社内での評価だけでなく、社外の人との距離や市場動向で決まるため、自分一人で正確に把握することは極めて難しいです。未来に関しても、不確実性が常に伴います。
しかし、過去に関しては、揺るがない事実としてそこに存在します。過去の経験、そこで得た知識やスキル、失敗や成功といったすべての出来事が、今後のキャリアを築くための礎となります。
そのため、誰にでも等しくある「過去」をしっかり振り返り、経験と能力を整理することが、キャリア戦略において非常に重要です。
過去の経験は、単なる履歴ではありません。あなたのキャリアを支える揺るぎない基盤になります。「過去が、これからのキャリアにどうつながるか」を考えることで、目標がより具体的になり、実行するためのステップが見えてきます。
過去の経験に対する解釈は、未来の選択肢を広げるための大きなヒントになるのです。

森数美保
株式会社Your Patronum 代表取締役/組織・キャリア開発の専門家