自分が大切にしていることを重視するのであれば起業するしかない…と一歩踏み出した日のことを今でも覚えています。ワクワクより「やっていけるのだろうか」という不安の方がずっと大きかったのです。

「やってきたこと全てに意味がある。無駄なことは1つもない」

過去の経験に助けられることも多くあるはず(画像:イメージ)
過去の経験に助けられることも多くあるはず(画像:イメージ)

起業前から、言い続けてきた言葉ですが、もしかしたら私自身に言い聞かせていたのかもしれません。今は、過去の経験に助けられることばかりです。自分で選り好みしていたら得ていなかった経験も多くありました。

起業することは全く想像していませんでしたが、「やりたいことがないなら、やりたいことが見つかった時にチャンスを掴めるようキャリアを積もう!そして、いつでも選べる自分でありたい」と出来ることを増やしてきたことが、起業後の私を支えているのは間違いありません。

過去やってきたことがキャリアの礎に

自分のキャリアの現在地は、社内での評価だけでなく、社外の人との距離や市場動向で決まるため、自分一人で正確に把握することは極めて難しいです。未来に関しても、不確実性が常に伴います。

しかし、過去に関しては、揺るがない事実としてそこに存在します。過去の経験、そこで得た知識やスキル、失敗や成功といったすべての出来事が、今後のキャリアを築くための礎となります。

そのため、誰にでも等しくある「過去」をしっかり振り返り、経験と能力を整理することが、キャリア戦略において非常に重要です。

過去の経験は、単なる履歴ではありません。あなたのキャリアを支える揺るぎない基盤になります。「過去が、これからのキャリアにどうつながるか」を考えることで、目標がより具体的になり、実行するためのステップが見えてきます。

過去の経験に対する解釈は、未来の選択肢を広げるための大きなヒントになるのです。

『「何者でもない自分」から抜け出すキャリア戦略~やりたいことがなくても選べる未来をつくる方法~』(日本能率協会マネジメントセンター)

森数美保
株式会社Your Patronum 代表取締役/組織・キャリア開発の専門家

森数美保
森数美保

株式会社Your Patronum 代表取締役/組織・キャリア開発の専門家。
大阪大学卒業後、新卒一期生として人材紹介会社ジェイ エイ シー リクルートメントに入社し、最年少マネージャーを経験。その後、株式会社Misoca(現・弥生株式会社)に転職。ゼロからエンジニア採用を推進。1年間で組織を2倍に拡大させた。
2018年株式会社キャスターに入社。採用代行サービスCASTER BIZ recruitingの事業責任者に就任。3年間で累計導入社数350社を突破。300名以上のメンバーがフルリモート勤務の組織を運営しながら事業開発を実施。2021年同社執行役員に就任。複数事業を管掌。
2022年株式会社ミライフに執行役員として入社。キャリアコンサルタント/人事/事業経営の経験を活かして、本質的なキャリア構築や組織づくりを推進。
2024年株式会社Your Patronum(ユアパトローナム)創業。代表取締役に就任。「チームの行動を変容させ、強い組織をつくり事業を伸ばす」をミッションに、法人向けの組織開発コンサルティングサービス「ユアパト」、個人向けのキャリア支援サービス「キャリパト」を提供している。
社会保険労務士有資格者。名古屋在住。16歳女子、13歳男子の母親。