物価高の中、働く人の平日ランチの平均額が過去最高を更新したことが分かった。外食は平均1250円である一方、自炊弁当は432円で節約志向も強まっている。

一方、経産省は15年後の平均時給が現在の約2倍になると試算している。しかし、街では実現性を危ぶむ声が上がっている。

ランチ代が過去最高を3年連続更新

22日の東京都心は穏やかな陽気だった。オフィス街の丸の内では、みなさんがお昼時にランチを楽しんでいる。

この記事の画像(16枚)

そんな働く人のランチ代に関する調査結果が発表された。物価高の中、みなさんどのくらい払っているのか。一方で、気になる予測も先ほど発表されている。

テーマは「ランチ支出が上昇。一方、時給は15年後倍に?ソレってどうなの」だ。

働く人の平日のランチ代に関する調査結果を、リクルートが発表した。それによると、皆さんが平日にかけるランチの平均額は2024年と比べて7.3%アップの485円。

3年連続で過去最高額を更新した。

調査では、自炊や手作り弁当が半数超えになり、物価高における節約志向の影響も考えられる。

ランチの形態別に見ると「出前・デリバリーしたもの」が平均1418円、「外食・店内での食事」が平均1250円と、ともに5年連続で増えている。(ホットペッパーグルメ外食総研調べ)

最も安かったのは「自炊、または家族が作った食事」で、平均は432円だ。会社員の方が多い丸の内で話を聞いた。

街で平日のランチ代を実態調査

取材班:
今日のランチ代、教えてもらえますか?

20代:
(ランチ代は)700円。この界隈では比較的安い方かもしれないですね。(普段は)僕はお金ないので奥さんの弁当を食べていますが、今日は「疲れたから作れない」ということなので。

50代:
今日は中華です。エビと青菜のあんかけ焼きそば。

50代:
チャーハン。(ランチ代は)2500〜2600円くらい。

50代:
(普段は)家で夕飯の残り物や、朝作った子どものお弁当の残り物です。

取材班:
今日のランチ代は、約2500円ですが?

50代:
今日は結構頑張りました!

驚きのランチ代を教えてくださった方もいたが、東京・新宿区にあるお弁当屋さん「ニハマル弁当 新大久保店」には、少しでも安いランチを求めるお客さんが訪れていた。

値段を確認すると、しょうが焼き弁当は税込み420円、のり弁当やハンバーグ弁当は税込み320円だ。訪れたお客さんに話を聞いた。

訪れた客:
(唐揚げパックとマーボー豆腐弁当)これでだいたい600円ですね、640円。

訪れた客:
値段が結構安いので学生とか多いです。サラリーマンも見る。コスパは良いかなと思います。

訪れた客:
「安いな」と思って入った。お金に余裕あればもっと(ランチ代)かけてもいいと思うが、電気代上がってる割に、給料がそんなに上がってないので。

15年後には平均時給が5000円超え!?

給料が物価高に追いついていない中、先ほど経済産業省が驚きの発表を行った。15年後の2040年の名目賃金、つまり平均時給についての試算だ。現在の約2倍の5366円になるという。

にわかには信じられないが、理由はこうだという。

ソフトウェアやロボットなど、省力化への投資によって生産性が向上するため、名目賃金が1時間あたり現在の2倍近い5366円に伸びると見込んでいる。

この驚きの発表に、街の声を聞いた。

40代:
本当になるのかな。保育士の仕事をしているが、その金額(2021年の名目賃金2885円)まで全然追いついていない。子どもも大きくなり食費もかかるのに、値段がどんどん上がり結構厳しいです。

40代:
もちろん(賃金が上がるのは)いいと思うが、「本当かな?」と思う気持ちが大きいです。

時給2倍試算も…物価と実現性に懸念

イット!のスタジオでは…

青井実キャスター:
山口さん、実現度ってどう考えますか?

SPキャスター山口真由さん:
グローバル化の中で日本が独り負けしていたので、次の15年でなんとか巻き返して欲しい気持ちはあるんですけどね。

青井キャスター:
でも、期待はするけど実現するかということですよね?

SPキャスター山口真由さん:
デフレに慣れ過ぎちゃってますからね。

青井キャスター:
経済の専門家、永濱さんに伺いました。経産省の試算、本当に実現する可能性がある数字なんでしょうか?

第一生命経済研究所・永濱利廣首席エコノミスト:
日本はこれまで政策当局の失敗によって、ずっと停滞してきた。(試算通りに)経済成長すれば、これぐらい時間あたりの賃金が増えるのは当たり前。今後の国の政策次第で、到達できるかどうか左右される。

青井キャスター:
一方で、永濱さんはもう一つの課題も指摘しています。それが物価です。「時給が増えたところで、それ以上に物価が上がってしまえば生活は豊かにならない」と言います。

物価と賃金のいい循環が進んでいて欲しいところだが、15年後、果たして暮らしはどうなっているのだろうか。
(「イット!」4月22日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(16枚)