トコジラミを万一、旅行先などから自宅に連れて帰ってしまったらどうすればいいのだろう?トコジラミは繁殖力旺盛でメス1匹が1カ月に約150個もの卵を産む。そのため荷物や衣服に数匹くっついていたのを知らずに放っておいただけで、あっというまに家中がトコジラミに占拠されてしまうという。

トコジラミの成虫(画像提供:日本ペストコントロール協会)
トコジラミの成虫(画像提供:日本ペストコントロール協会)
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SNSの投稿のなかには“トコジラミを家に連れ帰ってしまい繁殖してしまったら、家財丸ごと処分しないと駆除が難しい場合とかもある”といった書き込みもある。はたして本当なのだろうか?

トコジラミ駆除の先駆者で、その生態に詳しい足立雅也さん(808シティ代表)に、自宅の部屋にトコジラミを持ち込んでしまったときの対処法について聞いた。

(精神が崩壊するほどのかゆみ?トコジラミの症状についてはこちらの記事へ)
(旅行先での対処法についてはこちらの記事へ)

今は完全駆除が可能

まずは「家でトコジラミが発生した場合、本当に家財を処分しなければならないの?」と足立さんに尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。

「あながち嘘ではありません。かつて私はそうした現場に遭遇したことがあるのですが、そこではソファやベッドなどの家具類から、思い出が詰まったアルバムやビデオテープに至るまで、ありとあらゆるものが廃棄されていました」

マットレスに付いたトコジラミのコロニー。薄茶色のトコジラミは脱け殻。黒い点は全て血糞。白い粒は卵の殻だ(画像提供:足立雅也さん)
マットレスに付いたトコジラミのコロニー。薄茶色のトコジラミは脱け殻。黒い点は全て血糞。白い粒は卵の殻だ(画像提供:足立雅也さん)

たかがトコジラミのせいでお気に入りの家具や家族や友人との大切な思い出まで捨てなくてはいけないとは、あまりに悲しい。ただし、それは過去の話だという。