物価高とトランプ関税の混乱を受け10日、政府与党内では、経済対策を巡り、給付や減税など様々な声が飛び交い始めている。街頭調査では50人中33人が減税を支持し、給付を支持する人は少数だった。野党からは、ガソリン税や消費税の減税を求める声も上がっている。
トランプ関税の発動受け…経済対策が浮上
給付かそれとも減税か、今、政府与党内で急浮上している経済対策を巡り、様々な声が飛び交い始めている。

この給付・減税議論が沸騰し始めたきっかけは、止まらぬ物価高に加え、予測不能なこの人物の言動だった。
トランプ大統領:
みんな取引を望んでいる。報復しなかった国々のために、90日間措置を停止する。
各国に対する相互関税は、日本時間9日午後1時過ぎに発動した。それから約13時間後、トランプ大統領は追加関税分を90日間停止すると発表した。

その一挙手一投足に世界が振り回される中、にわかに議論が盛り上がる経済対策の中身。
国民民主党の玉木代表は10日、党内の会合で次のように発言した。
国民民主党・玉木雄一郎代表:
昨日(9日)ぐらいから4万円から5万円を全国民に所得制限なく配る、給付するという話が(政府与党の)かなり複数の筋から出ている。

FNNの取材によると、政府与党内で検討されているという給付金案は、全ての国民に4万円、あるいは10万円を給付するなど複数の案が浮上しているという。
安倍首相(当時):
国民の皆様と共に乗り越えていく。一律に1人あたり10万円の給付を行う。
景気対策や家計支援などの名のもとに、これまでも、2020年の安倍政権、2009年の麻生政権、1999年に小渕政権時で行ってきた給付金や地域振興券などの給付策。過去に行った給付策では景気浮揚を目的としたはずが、その多くが貯蓄に回るなどの問題点が指摘されてきた。

そうした経緯もあってか、今回の給付金案について公明党の斉藤代表は一定の理解ができるとしながらもこう話した。
公明党・斉藤鉄夫代表:
減税へとつながらない現金還付だけでは下支えとしては不十分であり、持続的な効果が低い。
国民民主党・玉木雄一郎代表:
(税金を)取って配って無駄が生じるのであれば、最初から取るのをやめる。
日本維新の会・前原誠司共同代表:
ばらまき的なものではいけない。減税というものがひとつの柱になってくると思います。
野党からはガソリン税の減税や、食料品の消費税減税を求める声も上がっている。そこで、イット!は10日、東京・新橋駅前で50人にインタビュー。現在浮上している4万円と10万円の給付案に加え、減税を加えた3つの案のうちどれがいいかを聞いた。
減税派(30代):
減税がいいです。所得の関係で結構節税対策とかも大変なので、今の状況で言ったら減税が家庭の状況には一番合っていると思う。
給付金派(50代):
10万円が良いんじゃないですかね。物価が上がってて買い物するのも大変なので、キャッシュでいただいたほうが家庭としては楽になる。
減税派(60代):
この中だったらこれ(減税)でしょうね。結局ガソリンが上がると輸送費も上がったり、そういうものをどう解決するのかというのが、本来政府がやるべき仕事だと思う。
減税派(70代):
私は減税ですね。この4万円、10万円で皆さん何するのって事じゃないですか。私なんか現役で働いてますけど、年金も支給停止になっちゃってて、だったら給付金なんて意味ないし。
イット!が50人に聞いた結果は、4万円給付をあげた人が2人、10万円が15人、減税が33人と、減税派が3分の2を占めた。
夏の参議院選挙も念頭に、政府与党はどのような判断を国民に示すのか。
給付金で国民と政治の認識のズレも
青井実キャスター:
金子さんは、この経済対策で何をすべきだと思いますか?

SPキャスター金子恵美さん:
政治サイドというのはどちらかと給付ということでやって、実感をしていってもらいたい。目に見える形ということをしがちです。ただ多くの国民の皆さん、そもそも納税していることのベネフィットも感じていない。また手取りというものを取られる、働いて得たものを取られるくらいだったら減税とか控除を増やしてほしい。給付はもともと私たちのお金でしょというところが多いので、国民と政治の認識のズレというのがあるとは思いますね。
選挙のためではなく、国民のことを一番に考えてもらいたい。
(「イット!」4月10日放送より)