・吸油率
食材が吸収する油の量の割合を表す「吸油率」は、小麦粉と比べて米粉のほうが低いことがわかっている。つまり、揚げ物などはヘルシーに仕上がる。

揚げ物の衣としても使うことができる(画像はイメージ)
揚げ物の衣としても使うことができる(画像はイメージ)

・脂質
100グラムあたりの脂質の割合をみると、小麦粉が1.5グラム、米粉が0.7グラムで低い。

・タンパク質の質
量で比較すると米粉と小麦粉はそれほど変わらないが、「質」については米粉に軍配が上がる。数字が100に近いほど良質なタンパク質であることを示す「アミノ酸スコア」は、小麦粉が41に対し、米粉が65となっている。

その他、糖質、ミネラル、ビタミンB群、食物繊維など豊富な栄養素が含まれる。また血糖値の上昇も穏やかで、消化器官の負担になりにくいという特徴もあるとのこと。

米粉ならではのおいしさ

さらに中村さんはこう強調する。

「“グルテンフリー”やヘルシーさに注目が集まっていますが、米粉ならではのおいしさをもっと知ってほしいですね」

まず味わってほしいというのが、「甘み」。

「白米をそのまま食べると、何とも言えないお米の甘みと香りを感じますよね。やはり米を原料にした米粉も特有の甘みがあります。だから、砂糖を控えめにしても満足感を得られるんです」

米ならではの甘みが感じられる(画像はイメージ)
米ならではの甘みが感じられる(画像はイメージ)

「食感」を自在にコントロールできるのも優れた点だという。

「例えば蒸しパンにすれば、“しっとり”と“もちもち”が融合した独特の食感が出るので、私は小麦粉の蒸しパンよりも好きです。クッキーにすればサクッと、揚げ物の衣にすれば時間がたってもカリッと…と、料理に合わせた食感を楽しめます」

「扱いやすさもメリットの一つ」と中村さん。

粒子がサラサラしていてダマになりにくいので、お菓子作りなどの工程でふるいにかけなくてもOK。また、小麦粉だと器具にへばり付いて洗うのが大変だが、米粉は水に溶けやすい性質のため、洗い物がラクになるというのも嬉しいポイントだ。

初心者はとろみ付けや揚げ物から

それほど魅力的な素材なら使ってみたいけれど、いきなりお菓子やパンはハードルが高い…。余らせてしまうかも…。と心配な人は「とろみ付け」や「揚げ物の衣」から使ってみるのがお勧めだという。