“爆問”田中さん くも膜下出血と脳梗塞で緊急入院

お笑いコンビ・爆笑問題の田中裕二さん(56)が、頭の痛みを訴えて緊急搬送され、前大脳動脈瘤解離によるくも膜下出血・脳梗塞診断されたことが分かった。

爆笑問題・田中裕二さん
爆笑問題・田中裕二さん
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田中さんは1月20日未明に救急搬送されたが、数時間前までは取材を受けており、その時点では特に異常はなかったという。しかし、帰宅後の午前2時ごろ「頭が痛い」と訴えたため、田中さんの妻でタレントの山口もえさんが119番通報。

搬送先の病院の診断結果について、田中さんの所属事務所はこのように発表した。

田中さんの所属事務所:
検査の結果、前大脳動脈解離による、くも膜下出血、脳梗塞と診断されました。幸い大事に至ることはなく田中裕二本人も変わりありませんので、入院期間1週間程度の診療計画となりました

田中さんの妻、山口もえさんは次のようにコメントを発表している。

山口さんのコメント:
医療従事者の皆さまの迅速な対応により、幸い大事に至ることはありませんでした。心より感謝をしております

「頭痛い」…約5カ月前に新型コロナ感染

田中さんは2020年8月、新型コロナウイルスに感染。その時の症状についてこう明かしていた。

田中さん:
そりゃいろいろありましたよ。熱が出たり頭痛いのど痛いとか、まあかぜみたいな症状はいろいろあったんですけど。やっぱり一番焦ったのは、匂いが全く感じられなくなった時期があったんですよ

新型コロナの発症から約5カ月後に起きた脳の血管の異変。コロナ感染と今回の異変に関係はあるのだろうか?脳の専門医に聞いた。

東京女子医科大学 脳神経外科 清水俊彦客員教授:
全く関係ないとは言えないと思います。コロナウイルスはですね、血管に全身の血管に損傷を起こすというのは、もう既に知られていることです

脳の血管に小さな損傷が起きた可能性

清水客員教授が指摘したのは、コロナ感染により脳の血管に小さな損傷が起きていた可能性だ。

これは、田中さんと同じ前大脳動脈解離が起きた患者の血管の画像。赤い丸で示したのが、血管の損傷により血液がたまり、こぶできている箇所だ。

もともと血管の壁は、複数の層が重なってできている。この動脈の内側の層に、何らかの原因で裂け目ができ、隙間に血液がたまった状態を動脈解離という。

これが破裂するとくも膜下出血、たまった血液が血管を詰まらせた場合が脳梗塞だ。この動脈解離の原因となる血管の損傷が、新型コロナ感染により起きた可能性があるという。

東京女子医科大学 脳神経外科 清水俊彦客員教授:
脳の血管に何らかの損傷を加えているということは、十分に考え得ることだと思います感染の数カ月後に脳の血管に動脈瘤ができたり、あるいは解離を起こすということは、十分に考え得ることだと思います

現段階ではまだ、明確な因果関係は明らかになっていないものの、清水客員教授は「新型コロナの症状が治まっても、いつもと違う頭痛や手足のしびれ、めまいなどがあれば、早めに診察を受けた方がいい」と話している。

田中さんは大事を取り、1カ月程度休養するという。

(「イット!」1月21日放送)