注目はポリフェノール

認知症予防に効く物質として注目しておきたいのは、ポリフェノールです。

ポリフェノールとは、多くの植物が持つ、紫外線や害虫、有害微生物などのストレスから身を守るための「抗酸化物質」の総称で、高い「抗酸化作用」のみならず、その多くにはアミロイドβの凝集抑制作用があることも確認されています。

つまり、ポリフェノールは、「抗酸化作用」と「アミロイドβ凝集抑制作用」という認知症を予防するための2つの重要な働きを併せ持つ、極めて優れた物質なのです。

赤ワインもポリフェノールが含まれている(画像:イメージ)
赤ワインもポリフェノールが含まれている(画像:イメージ)

一口にポリフェノールと言っても、自然界には5000種以上ものポリフェノールが存在します。

そして私たちの身近にある食品にも良質なポリフェノールを含むものがたくさんあり、どれも優れた抗酸化作用をもつので、日々の食事に積極的に取り入れていくといいでしょう。

なお、「ポリフェノールの抗酸化作用によってアミロイドβの凝集が抑えられる」と書かれた記事が散見されますが、厳密に言うとそうではありません。

抗酸化作用によって血管が丈夫になり、脳の血行が良くなれば、脳の活性は上がります。

それによってアミロイドβの排出が促進される効果が期待できるのは確かですが、アミロイドβの凝集抑制効果というのはそれとはまったく別の作用です。

抗酸化作用はあくまでも活性酸素を除去する作用のことであり、アミロイドβの凝集抑制作用ではないことは覚えておいてください。

おすすめの食品:コーヒー

実は赤ワインに負けないくらいポリフェノールの含有量が多いのがコーヒーです。