では臭いはどうだろう。
便やおならの状態も、私たちの健康状態を反映する重要な指標となる。
臭い便やおならは別の病気かも
「便やおならの臭いは、腸内環境の状態を反映しています。臭い便は腸内で悪玉菌が増殖し、硫化水素など腐敗産物を産出していることが考えられます。
野菜を十分に食べているのに便臭が強い場合は、感染症や吸収不良などを疑う必要も出てきます」
一方、おならの臭いが強い場合も、腸内環境の乱れや過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)といった病気との関連が考えられる。
大腸がんを示唆する直接的なサインとまでは言えないが、腸内細菌を整える食物繊維を多く摂るなど食事を見直す必要があるのかもしれない。

それというのも、腸内環境は大腸がんを予防する上で最も重要な要素。そのためにも、牛肉や豚肉などの「赤身肉」やソーセージやハムなどの「加工肉」の食べ過ぎには注意が必要だ。
「お肉は大事なたんぱく源で、必須アミノ酸、ビタミンB12 など必要な栄養素が豊富に含まれていますが、摂りすぎると大腸がんのリスクが上がるというデータがあります。また脳卒中、心筋梗塞、乳がん、前立腺がんのリスクも上昇します」

赤身肉と加工肉はなぜリスク要因なのか。
舛森医師によると、赤身肉は便秘になりやすく、腸内の嫌気性菌というばい菌が増えやすいからだという。また、加工肉には多くの添加物や塩分が含まれ、特に発色剤や防腐剤として使われている亜硝酸塩は体内で炎症を起こすことでがんのリスクが上がるという。
全ての加工肉が危険ということではないが、添加物の摂り過ぎはすい臓がんや糖尿病などを引き起こす可能性も指摘されている。