2025年の国民スポーツ大会には愛媛から46人の選手団が参加している。この中で成年男子のアイスホッケーは6年ぶりの大舞台への出場を果たし悲願の「1勝」を目指した。
愛媛チームが6年ぶりに選抜に
息もつかせぬ速さでパックが飛び交い選手同士が激しくぶつかり合うアイスホッケー。その激しさから「氷上の格闘技」とも言われている。

このアイスホッケーの日本一を決める国民スポーツ大会に南国・愛媛から選抜チームが挑んだ。

キャプテンの続木達哉選手は、6年前に続き2度目の本選出場について「とにかく安心しました。懸ける想いが強かった分、結果を出せて良かったなと」と思いを語った。

愛媛選抜は2024年12月に行われた中四国ブロック第4代表決定戦で山口選抜に3対0で勝利し、6年ぶりに国民スポーツ大会出場の切符をつかみ取った。
2025年の愛媛選抜のストロングポイントはバランス力だ。メンバーは20歳の学生からベテランまで幅広い年齢層が集い「勢い」と「経験値」が高い次元で融合している。

このチームを続木キャプテンとともにけん引するのがチーム最年長の渡邉修二選手(56)だ。「好きでやっているので。若い人の邪魔をしないような感じでやらせてもらっています」と、謙遜する渡邉選手だが、代表決定戦では見事な決勝ゴールを決め歓喜の輪の中心に。これまでに国体出場13回を数えるレジェンドはチームの精神的支柱だ。

続木達哉キャプテン:
渡邉選手は私がアイスホッケーを始めた時からの憧れの選手でした。その選手とともに本大会出られるのは私の夢でもあったのでとても嬉しいです。
新指導者の就任で変わったチームの空気
そして愛媛選抜を6年ぶりに国スポの舞台へと導いたもう一人のキーマンがいる。2024年10月にコーチに就任した貞宗謙太郎さんだ。

北海道出身の貞宗コーチは現役時代プロアイスホッケーチーム東北フリーブレイズなどでプレーし、ユニバーシアード日本代表にも選ばれるなどフォワードとして活躍。プロの世界で培ったエッセンスを浸透させメンタルからチームを変えていった。

貞宗謙太郎コーチ:
気持ちの面が一番大きかったと思うんですけれど、やる前からビビるというか相手の名前にビビるというか、そうではなく普通に人間だしやれば必ず勝てると言っていただけです。
貞宗コーチの指導はとにかくポジティブ!
前向きな声をリンクに響かせ選手のモチベーションを高める。

続木キャプテンも「常にポジティブに接してくれてミスをしても次にそれがないように、フォローしてくれるというか、そういった掛け声を練習からしてくれるので、みんな落ち込まずに積極的にプレーができているので」と“前を向く空気”に助けられているという。
存続の危機を乗り越えて
本拠地とする愛媛県内唯一のスケートリンク「イヨテツスポーツセンター」が2027年1月に閉館することが発表されるなど大きな課題にも直面していた。

新たなスケートリンクの設置を求めて約3万3000筆の署名を集めたが先行きは不透明だ。
続木キャプテンは「基本的には練習の場は県外に移ると思うんですが、集まれる人たちで集まって県外で練習を重ね行くしかないと思っております」と話す。

大きな岐路に立つ愛媛選抜。続木キャプテンは「地元の誇りを胸に精一杯戦ってきて来年再来年と連続出場できるように今年は第一歩だと思っております」と意気込みを語る。
大舞台で確かな足跡を残す「1勝」へ。
愛媛選抜は2月1日に栃木選抜と対戦したが、惜しくも勝利を収めることはできなかった。
(テレビ愛媛)