“畳の上の格闘技”と呼ばれる競技かるた。今春、秋田・大館市の高校に「競技かるた部」が発足した。地道な活動で実力をつけ、結果を出してきた部員たち。かるた部として初めて挑む全国大会に向け、互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら練習に励んでいる。
文芸部かるた班が“部”に昇格
和室に響く読み手の声。
読み上げに素早く反応し札を取り合っているのは、大館市の大館鳳鳴高校競技かるた部の部員たちだ。

2018年に文芸部の「かるた班」として活動がスタート。すると県内の大会で結果を出し続け、2025年4月に「競技かるた部」が発足した。

部長の三ケ田陽香さんは「何度もかるた班の時点で全国大会に出場していたので、自分たちの代で部に昇格することができて、とてもうれしかった」と話す。
仲間とともに実力を磨く
部員は現在20人で、週に4日、市内の施設で練習を積んでいる。

小倉百人一首のかるたを使用する「競技かるた」。1対1の対戦で、自分の陣地の札がなくなった選手が勝ちとなる。
真剣な表情で練習を続ける部員たちのほとんどが高校から競技を始めた。

1年生の亀田結夢さんは「見学でかるた部を見たときに、先輩方がすごく優しく決まり字を教えてくれた。雰囲気も良かったし、競技している姿がかっこよかったので、自分もこうなりたいなと思い入部した」と入部のきっかけを話す。

札を覚える記憶力や集中力、そして全身を使い無駄なく払う瞬発力のほかにも、高められるものがある。
三ケ田部長は「男女関係なくスピードを競う競技で、集中力も鍛えられるし、団体戦では“仲間意識も芽生える”のが楽しい」という。
全国大会でのリベンジへ 練習に熱
競技かるた部は、5月に開かれた県高校小倉百人一首かるた競技会で優秀な成績を残し、7月には“かるたの甲子園”と呼ばれる滋賀県での全国高校選手権大会に出場する。また、同じく7月に香川県で開かれる全国高校総合文化祭への出場も決まっている。

三ケ田部長は「去年出られなかったリベンジを果たし、選手権では団体戦で1勝し、総文祭では去年果たせなかった決勝リーグに進めるように、みんなで練習を頑張りたい」と意気込む。
そして2026年の全国高校総合文化祭は秋田で開催される。競技かるたは大館市で行われることが決まっていて、地元開催に部員たちも一層気合が入る。
1年生の亀田さんは「大館開催となると近い所で良い機会なので、自分のレベルアップのためにも出場できたらと思う」と意欲を高めている。

“畳の上の格闘技”競技かるたに情熱を傾ける大館鳳鳴高校競技かるた部。これからの活動に注目だ。
(秋田テレビ)