熊本市が北区などで導入しているAIデマンドタクシー、現在1日300円としている料金の見直しが検討されることになった。交通空白地域のセーフティーネットとして運行している中、『便利すぎる』状況となっていることがその理由だ。
1日300円のAIデマンドタクシー
熊本市は現在、バスなど基幹公共交通の空白地域で住民の移動手段確保を目的に、AIデマンドタクシーを北区植木町と、西区・南区の一部、計2つの地域で運行。

公的施設や病院、スーパー、銀行など、地域内の300を超える乗降所を、行き来できるサービスで、高齢者を中心に一日30件以上利用されている。

熊本市では料金は何回乗っても大人1人1日300円だが、札幌市では1回350円、福岡市では1回300円などとなっている。
バスやタクシーとの共存に有識者が意見
2月5日に開かれた熊本地域公共交通活性化協議会・コミュニティ交通部会で有識者が指摘した。

有識者からは「AIデマンドのエリアが広く、バスもエリアに入っている。便利すぎるのはコミュニティー交通の位置づけとしては、1時間に何本も走らせるわけにはいかない」や「1日乗車券300円のように、何回も乗られるとタクシーよりかなり安くなってしまうので、1回いくらの方がいいのではという話もある」と意見を述べた。

こうした意見を踏まえ熊本市・移動円滑推進課は、運転士が不足する現状や運行の持続可能性、民間事業者との共存なども踏まえ、「見直しを検討する」と述べた。
(テレビ熊本)