スマートフォンは日常的に使うからこそ、落とすなどして“なくした”際のリスクもある。

連絡、決済、撮影など、いろいろな場面で活躍するだけに情報もつまっているが、なくしたら、どうしたらいいのだろうか?

ネットセキュリティーに詳しい、SBテクノロジー株式会社のプリンシパルセキュリティリサーチャー・辻伸弘さんに対策を教えてもらった。

情報漏えいや金銭的被害まで

辻さんによると、スマホをなくした場合は大きく3つの被害が考えられるという。

大切な写真が流出する可能性も(画像はイメージ)
大切な写真が流出する可能性も(画像はイメージ)
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(1)個人に関係する情報の漏えい
スマホ内に保存している画像や動画、メモ、アプリ。各種サービスにログインするためのパスワードなどが、他人に見られてしまう。

(2)金銭を盗まれる
○○ペイなど「モバイル決済」アプリでチャージ・送金され、金銭的被害を受けることも。多額を1度にだけでなく、気づかれにくいように少額で何度も盗むパターンもある。

(3)ストーカーアプリをインストールされる
遠隔で写真や動画の撮影、音声を録音して外部に送信できる、通称“ストーカーアプリ”をインストールされる可能性もある。位置情報もわかり、動きを追跡すること(トラッキング)も可能。ホーム画面にアプリのアイコンが表示されないため、気づくことが難しい。

見られたくない写真や動画が流出したり、自宅が特定されたりするリスクがあるのだ。

辻伸弘さん
辻伸弘さん

そのため、なくすことに強い危機感を持つよう、辻さんは警告する。

「スマホには “自分が思っている何倍もの情報がある”と考え直した方がいい。思っている以上の細かい情報まで漏えいしてしまうことが考えられます」

基本だが「画面ロック」は大切

こうした状況を防ぐにはどうすればいいのか。「スマホの画面ロックがかかっているかによって、被害は大きく変わってくる」と辻さん。

画面ロックを設定すると、認証を通さなければ操作できなくなる。もちろん破られることもあるが、悪用されるまでの時間を稼ぐことで、被害を抑えることにつながるという。

悪用されるまでの時間稼ぎになる(画像はイメージ)
悪用されるまでの時間稼ぎになる(画像はイメージ)

顔や指紋などの特徴を使った「生体認証」を推奨しているほか、使い回ししないことを前提に、長い「パスワード」でもいいそうだ。

その上で、スマホをなくしたとしたら、まずすべきは「どこにあるのかを探す」こと。最後にスマホを持っていたと考えられる場所(タクシー、駅、店舗など)を調べてみよう。

併せて、スマホの「デバイスを探す」サービスを使いこなせるようにもしておきたい。