春のセンバツ出場校32校が決まり、21世紀枠で長崎の離島にある壱岐高校が甲子園初出場を決めた。選手は全員、島の出身。離島のハンデを乗り越えての数々の快挙は「100年に一度の奇跡」として島民の感動を呼んでいる。 

「100年に一度の奇跡」でセンバツ勝ち取る

センバツ出場校は24日午後3時半から発表があった。

決定の瞬間、歓喜の嵐だった
決定の瞬間、歓喜の嵐だった
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関係者が壱岐高校の名前を読み上げると、今か今かと学校のホールで吉報を待っていた壱岐高校野球部の選手やマネージャーが喜びを爆発させた。 

マネージャーを含め部員全員が壱岐出身
マネージャーを含め部員全員が壱岐出身

壱岐は部員25人全員が地元出身で、2024年秋の県大会で準優勝、九州大会ではベスト8入りを果たした。

グラウンドは他の部と一緒に使い、内野ほどの広さで練習する
グラウンドは他の部と一緒に使い、内野ほどの広さで練習する

玄界灘に浮かぶ長崎の離島・壱岐島にある壱岐高校。野球部は、対外試合をするにも島外に出るために時間がかかる上、練習環境も限られている。

「離島のハンデ」を乗り越えて結果を残し、その好成績は「100年に一度の奇跡」として島民の感動を呼んでいることが高く評価された。 21世紀枠で県内の高校が選ばれるのは今回が初めてだ。 

壱岐高校野球部 浦上脩吾主将
壱岐高校野球部 浦上脩吾主将

浦上脩吾主将は「自分たちの夢だった壱岐から甲子園という夢が叶ってとてもうれしい」 と喜びを語った。

団結力を高めるための「坊主の昼ごはん」

マネージャーも含めて全員が島で育った生徒たち。保育園時代からの幼馴染という人たちもいるくらい付き合いが長く、チームのウリは「団結力」。それをさらに高めるためにルールがあるという。

団結力を高めるためのルールは「坊主の昼ごはん」
団結力を高めるためのルールは「坊主の昼ごはん」

「坊主の昼ごはん」だ。選手たちは、昼ごはんは弁当を持って集まり、一緒に食べる。

昼ごはんはみんなで集まって食べる
昼ごはんはみんなで集まって食べる

体作りのためにみなで「量が多い、少ない」と指摘し合い、切磋琢磨している。

島ということで、練習試合のためにはフェリーを使わざるをえない。移動時間も無駄にはしない。学校の課題をしたり、ミーティングを実施、道具の手入れなどを行い、プレーに備えているという。

島をあげてのお祝いムード

初の甲子園出場に向けて、まちの期待が日増しに高まっていた。

市役所では寄せ書きコーナーを設けている
市役所では寄せ書きコーナーを設けている

壱岐市役所の寄せ書きコーナーには「甲子園に連れてって」「一緒に夢をつかみ取ろう」など熱いエールが続々と届いている。

横断幕は市や後援会が制作。市役所以外にも空港や港などにも貼っていて、選手たちの活躍を県内外にアピールしている。

春夏通じて初の甲子園出場に、これまで支えてきた保護者や島の人たちも大きな期待を寄せ、保護者は「甲子園ではアルプスが壱岐の関係者で埋めつくされて、のびのびとプレーをして一勝できればなと、校歌を流せたらいいなと思う」と、選手たちの活躍にエールを送った。

学校もお祝いムード
学校もお祝いムード

学校では早速横断幕が掲げられ、お祝いムードに包まれている。浦上主将は「ここまで来られたのも地域の方々や保護者の方々の支えがあってこそ。感謝の気持ちを持って甲子園で思い切ってプレーをしたい」と話し、甲子園初勝利を目指す。

甲子園初勝利を目指す
甲子園初勝利を目指す

21世紀枠の壱岐高校と横浜清陵高校(神奈川)の2校を含む32校が出場する選抜高校野球大会は、3月18日に開幕する。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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