「小浜-京都ルート」の選定が見送られ、2025年度の認可着工が見送りとなった北陸新幹線の延伸問題。福井県杉本知事は年頭の定例会見で「小浜先行開業」という“初夢”を語った。これに対し沿線自治体トップらからは意見が相次いだが、杉本知事は早期の全線開業に向け、「小浜先行開業」を県の方針に盛り込みたいと述べた。
杉本知事の“初夢”への沿線の反応

1月9日の年頭会見で杉本知事は「私、個人の初夢として申し上げると、小浜・京都ルート中でも小浜先行開業はあるのではないかと思っている」と発言。

この発言が報道されると、富山県の新田知事などは賛同する考えを示した一方、滋賀県の三日月知事や石川県の県議などからは疑問の声も上がった。

「小浜先行開業のメリット訴える」
杉本知事の発言から2週間後。1月23日の定例会見では、自身の発言に対する反響について「県内では概ね好意的に受け止めてもらった。県外の反応も、すぐに事務方を含めて説明していたこともあり、真意を理解いただけつつある」とした。

その上で「小浜先行開業は早期の全線開業に向けた有効な考え方だ」と強調。今後、必要に応じて工費の削減や人員の確保など、小浜を先行開業するメリットを訴えたえていきたいとした。
「我田引水には進めない」
「米原ルートに対するけん制では」という声に対しては「米原ルートの報道が大きいと感じる人もいる。やはり本筋は小浜-京都ルートで議論がしっかりと前に進んでいる、という前向きな動きを見てもらうことが、県民の気持ちが落ち着くのではということも含めて申し上げた」とした。

「我田引水に進めるつもりはない」と京都・大阪への配慮も見せた杉本知事。ただ、早期の全線開業につなげるため、認可着工に向けての県の方針に盛り込まれることになる。