「初心者はフォームの矯正や筋トレよりも、骨盤のゆがみを取ることを優先しましょう」

骨盤のゆがみを取るストレッチ

そこで、金さんの著書『厚底シューズ時代の新・体幹ランニング』(講談社)から、すぐに取り入れられるストレッチを2種教えてもらった。

『厚底シューズ時代の新・体幹ランニング』より
『厚底シューズ時代の新・体幹ランニング』より

(1)背中コロコロ(10〜15往復×1〜2セット)

デスクワークなどで硬くなった背中と、骨盤背面にある「仙腸関節」を柔らかくするストレッチ。腰痛緩和にも役立つ。

1.床で仰向けになり、両膝を引き寄せて、両手で膝を抱える。
2.ロッキングチェアのイメージで身体を上下に揺らし、背中でコロコロと転がる。

『厚底シューズ時代の新・体幹ランニング』より
『厚底シューズ時代の新・体幹ランニング』より

(2)膝回し(左右各10〜15回×1〜2セット)

硬くなった仙腸関節をほぐす。走りに偏りのあるランナーはどちらかが動きにくい。動きにくい方を多めに行おう。

1.床で仰向けになり、片膝を引き寄せて、両手で膝下を持つ。
2.外から内へ、膝で大きな円を描くように回していく。左右を変えて同様に行う。

プロ・マラソンコーチで駅伝・マラソン解説者の金哲彦さん
プロ・マラソンコーチで駅伝・マラソン解説者の金哲彦さん

「ランニングは痛みが起きやすいスポーツ。自分の体に向き合い、ケアを怠らないことが大切です。普段のストレッチをはじめ、ランニング後には筋肉をほぐし、ゆっくりお風呂に浸かり疲れを取る習慣を。痛みを感じたら、冷水で冷やしたり湿布を貼るなどして、すぐにケアしてください」

初心者ほど、目標を大きく設定しすぎて、地味なストレッチやアフターケアを怠りがちなものかもしれないが、フル完走を目指すなら地道なケアにも取り組んでいきたい。

「フルを目指して練習していると、つらいこともたくさんあります。だからこそ大会で声援を受けながら完走したときの達成感は半端ではありません。一度味わってみてください。きっと大会に出るのがクセになりますよ!」

『厚底シューズ時代の新・体幹ランニング』(講談社)

金哲彦
プロ・ランニングコーチ/駅伝・マラソン解説者。早稲田大学時代は箱根駅伝で活躍し、2度の優勝に貢献。現役引退後は、リクルートの陸上競技部で小出義雄監督とともに、有森裕子、高橋尚子などの選手を育てる。現在はランニングコーチとして幅広い層を指導するとともに、陸上競技の解説者としてTV・ラジオなどで活躍中

プライムオンライン特集班
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