天候不順により野菜の価格変動が大きくなっている。特に葉物野菜の価格が高騰していて、その中でもキャベツは平年の約3.4倍という高値となっている。この状況はいつまで続くのだろうか。
「普段なら高値になると売れが落ちる」
朝から活気あふれるのは、熊本市西区の熊本大同青果。いま野菜価格の高騰が深刻だ。

熊本大同青果の竹原由幸専務取締役は「夏場から秋、今まで長期間にわたって野菜の高値が続いている。葉物関係、キャベツや白菜、ネギ、ブロッコリー、こういうものが特に高い」と話す。

農林水産省が全国470店のキャベツの小売価格を調査した食品価格動向調査の結果では、2024年8月上旬に1キロ当たり平均178円だったが、2025年1月21日に公表された1月14日から16日の価格は553円まで上昇。平年の約3.4倍となっている。

高騰の理由については、2024年の夏場の高温や12月の低温・干ばつの影響により小玉傾向となり、出荷数が減っているためという。

そして、竹原さんによると、今回は特徴的な動きがあるそうで「普段であれば高値になると売れが落ちて、すぐに値段が下がる。今回に関してはずっと高い。供給量が長期間にわたって不足している状態」と話す。
キャベツ1玉39円 大根1本39円
そんな中、まちの八百屋として地域の食卓を支える、熊本市中央区帯山の後藤商店を1月20日に訪ねると、数ある野菜の中でも特に大根39円、トマト69円、そして高いと言われているキャベツは39円と驚く安さだ。

買い物客は「(野菜が)高い。困っている。(値段が他店の)半分くらいのときもあるし、すごく安くて助かる」や「これは安い。他店の半値」と話す。

なぜこのような価格で販売できるのか、後藤商店の後藤万久代表は「なるべく商品に手間をかけない、裸で出したりとか。量を多めに入れたりして(資材費を)安く。あとは市場で『お客さんにこの値段で売りたいからこの値段で』という買い方をするので、そういうところかな」と、安さの裏には企業努力があるようだ。

先ほどの39円キャベツも少し小玉だったり、大根も曲がっているものがあったりするが、調理して食べる分には問題ない。

後藤代表は「うちの店でも通常より3~4割値は上がっている。できる限りのことはしたい」と話す。
今後のキャベツの値動きはどうなる
さて気になる今後について、熊本大同青果の竹原専務取締役は「ある程度は落ち着くと思う、いまの値段よりは。でも例年よりは高い状態は続くとみている」と話す。

竹原さんによると、キャベツに関しては今後の天候にもよるが、3月下旬から4月にかけて春キャベツが出回るため、価格は落ち着くのではないかということだ。
(テレビ熊本)