大型連休初日となった4月29日、屋久島へ向かう旅行者や帰省客に思わぬアクシデントが降りかかった。前日28日に発生した発電機トラブルにより自力航行が不能となったフェリー屋久島2が29日も欠航。「ここに来て『本当に?』とびっくりした」――乗り場に着いて初めて事態を知った旅行者の声が、連休初日の鹿児島港に響いた。
垂水沖で突然のトラブル、タグボートでえい航
28日、鹿児島を出発し屋久島へ向かっていたフェリー屋久島2が、垂水沖で発電機トラブルに見舞われた。自力航行が不能となった船はタグボートによって鹿児島港へえい航された。乗員・乗客合わせて57人にけがはなかったものの、船は29日も運航を再開できず、2日連続の欠航となった。
さらにフェリー屋久島2は5月1日までの欠航がすでに決定しており、それ以降の運航についても現時点では未定の状態だ。
トッピー乗り場に長い列、祝日の朝から混雑
29日午前7時すぎ、鹿児島市本港新町にあるトッピー(高速船)の乗り場には、屋久島行きの便へ乗り換えようとする人々が続々と集まった。祝日の朝にもかかわらず、チケット売り場には長い列ができ、普段とは異なる慌ただしい雰囲気に包まれた。
フェリーから高速船への切り替えを余儀なくされた人々からは、それぞれの事情が滲む声が上がった。
「なるべく実家に早く帰って掃除をしたいので(トッピーに)切り替えた。欠航が長引くと物流が届かない」と話したのは、29日のフェリーを予約していた人だ。欠航が長期化すれば、島への物資供給にも支障が出るという懸念は、島の生活と直結した切実な問題である。
また、前夜遅くに欠航情報を知り、早朝から動いた人も。「28日の夜中に気がついて、朝の6時に来た。レンタカーとかホテルを予約しているので、なんとかリカバリーできて本当に良かった」と安堵の表情を見せた。
28日の乗船客も急きょ切り替え対応
トラブルが起きた28日のフェリーに実際に乗船していたという人の姿もトッピー乗り場に見られた。「急きょネット予約して、29日の便に切り替えた。仕事で使う資材や機材に支障が出るのでは」と語り、仕事絡みの荷物への影響を心配する様子だった。
屋久島は観光地としてのイメージが強い一方、島で働く人々や定期的に荷物を送り届ける物流の観点からも、フェリーは欠かせない交通インフラだ。今回のトラブルは、そうした生活・経済面への影響も少なくない。
欠航を知らずに来た観光客も、情報発信に不満の声
フェリー屋久島2の乗り場には、欠航を事前に知らないまま訪れた観光客の姿も確認された。遠方からはるばる屋久島を目指してきた旅行者たちにとって、現地で初めて欠航を告げられる事態は大きな混乱をもたらした。
兵庫から屋久島を訪れようとした人は「ホームページにもっと大々的に書いてくれればありがたかった。屋久島行ってからバスの時間に合わなくなった。タクシーに乗ってキャンプ地に向かう」と、情報発信の不足への不満を口にした。
埼玉からの旅行者は「ここに来て(欠航を知って)『本当に?』とびっくりした。毎年屋久島に行きたいと思ってやっと来られた。なんとかしてたどり着きたい」と、念願の屋久島行きを諦めない強い意志を見せた。
5月1日以降の運航は未定、影響が続く可能性
フェリー屋久島2の欠航は5月1日まで確定しており、2日以降の運航再開についての見通しは立っていない。大型連休の最中に主要な海上交通が一本失われた状態が続けば、観光客の移動だけでなく、島内への物流や住民の生活にも影響が及ぶ可能性がある。
鹿児島と屋久島を結ぶ海の玄関口で、連休を前に動き出した人々の足が乱れた。欠航情報を事前につかめた人もいれば、乗り場に着いて初めて知った人もいる。確実な情報発信と早期の運航再開が、引き続き求められている。
