会話や気分、曖昧な条件でも生成AIが飲食店を提案してくれるアプリが発表された。

ぐるなびは20日、日本初の生成AIを活用した新たな飲食店検索アプリ「UMAME!(うまみー!)」を発表した。このアプリは、会話形式や画像を活用し、約42万件の店舗データから利用者の気分や状況に合わせて飲食店を提案する。

AI技術で差別化する新時代の飲食店探し

ぐるなび・杉原章郎社長:
AIの先駆者として世界中の外食の風景をより良いものに変えていく。

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ぐるなびは20日、日本初の生成AIを使った新たな飲食店検索アプリ「UMAME!」を発表した。

ぐるなび・杉原章郎社長:
ユーザーは本人が思いもしなかった新たなお店と出会えるようになり、飲食店側も予期せぬ新たなユーザーと出会うことができる。まさに外食と人の関係性の革命。

ポイントは、約42万店のデータの中からAIがオススメの店を提案してくれること。従来の飲食店検索とは異なり、ワードを重ねて店を絞るのではなく、チャットをするような感覚で使って欲しいという。

最近では、インスタなどSNSを活用して店選びをする若者がいる中、ぐるなびは情報の正確性で差別化できるとしている。

音声入力にも対応したことで、より幅広い検索の仕方が可能になっている。また、画像ファイルを使用することで料理や雰囲気からお店を見つけることもできる。

そして、提案された店には自分が入れた情報とのマッチ度も表示。さらに、二次会検索や旅先のグルメガイドなど、特定の目的に特化したAIアシスタント機能もある。例えば、大阪のおすすめグルメを調べると、AIがまるで会話をしているように関西弁でお店を提案する。

ぐるなびはこのアプリを通じて、飲食店を利用するすべての年代に次世代の食体験を提供することで、外食機会の増加につなげ、飲食店の集客力に貢献したいという。

ぐるなび・杉原章郎社長:
「UMAME!」のようなAIと相談しながら、決めていく・考えていくというようなことが、使い方として当たり前になってくる。ぐるなびは人によるサポートも並行して提供し続けることで、食関連事業者の皆様が積極的にDX化やAIを導入しやすくできる。

今後、ぐるなびは食体験の記録・多言語対応など、機能を広げていきたいとしている。

膨大な情報を効率処理するタイパ重視の提案

「Live News α」では、消費経済アナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
様々なサービスに生成AIが使われるようになってきましたね。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
近頃は仕事柄、情報収集には生成AIを使うことが日常になってきており、ついに情報収集以外のグルメアプリが登場するということで、生成AIの広がりを感じると共に、個人的に使うのがすごく楽しみです。

堤キャスター:
生成AIとグルメアプリの親和性についてどのようにご覧になりますか。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
例えば、急きょランチの場所を決める時には、自分の意思をもとに検索して出てきた情報の中から、料理のカテゴリーや価格や口コミの詳細を見て決定するプロセスになるんです。
今回の生成AIによる検索は、日常の会話の気分やニュアンス、画像ファイルなどを活用して、人間では処理しきれない膨大な飲食店の情報や口コミから、自身の嗜好や状況に応じた飲食店を知ることができる、効率的に提案してくれるのは素晴らしいですね。膨大な情報を人間が短期間で処理するのは基本的には難しいので、タイムパフォーマンが良い提案となっていると思います。
また、提案を受ける事により自分自身でも気づいていない、パーソナライズ化されている、まだ出会えていない食事を発見できるのは、例えば同じものを食べている人にとっては食の範囲を広げることにもなり、新しい食生活の創造に繋がりそうですね。

生成AIとの「適切な関わり方」が重要課題

堤キャスター:
生成AIはさらに身近なものになっていきそうですね。

消費経済アナリスト・渡辺広明さん:
電子情報技術産業協会によると、日本の生成AI市場は2023年に約1188億円だった市場規模が、2025年には6879億円、2030年には1兆7774億円と大幅に成長することが予想されています。
生成AI全般には、誤情報や偏り、情報漏えいや著作権侵害などのリスクも指摘されているんですが、一方で効率向上や、創造性拡張に役立つツールとなり、自分の知識や思考力を活用すれば、より良い成果を生み出すことが可能になるのではないかと思います。
情報検索のみならず、今回のアプリのような実装型の活用が拡大していけば、生活の一部に無意識に生成AIが使われる、そんな今後になっていきそうで、生成AIとの上手い関わり方が大切になるんではないかと思います。

堤キャスター:
こうしたツールが、私たちを新たな食や味と出会わせてくれるきっかけになるかもしれません。AIを使いこなすことで、より豊かな生活に繋げていきたいですね。
(「Live News α」1月20日放送分より)

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