ことし4月に開幕する大阪・関西万博で、世界に向けて、日本ではおなじみの“あの体操”を世界に発信しようとする女性がいる。 

ラジねえ。と名乗る女性の狙いとは―。

■国籍問わず言葉の壁を超え 日本のラジオ体操を世界へ

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軽快な音楽に合わせて体を動かす、ラジオ体操。 

短い時間で、特別な道具もいらず、体全体を動かすことができる、90年以上国民に愛されてきた、日本でおなじみの体操だ。 

そんなラジオ体操をことし、世界標準にしようと活動している女性がいる。 

ラジねえ。:私はラジオ体操大好き姉さん、略して“ラジねえ。”です。

一般社団法人ラジーン代表理事・ラジねえ。こと、上羽悠雅(うえば・ゆうが)さん。 

「ラジーン」とは、ラジオ体操をする人という意味をこめた造語だ。 

ラジねえ。:誰もが、あの曲が鳴ったら一つになれる。みんなが自然に笑顔になれる。その空間を作っていくのがすごく楽しくて、国籍問わず言葉の壁を超えて、一緒にみんなができる。

■スポーツ一家で育ち「健康をサポートしたい」

スポーツ一家で育ったラジねえ。は、父と兄の影響で、小さいころから野球に夢中。 

毎日、男の子に混じって白球を追っていた。 

ラジねえ。の母:全く風邪もひかない子やったんで、熱も出さないし、風邪もひかないし、外でいつも走ってたような気がします。

「野球に携わる仕事がしたい」。 

大学卒業後は、甲子園球場の企画や広報を担当していた。 

そんな中、コロナ禍に…。 

人と人との関わりが薄くなり、体を動かすことが少なくなった中、「健康な自分が何かを発信したい!」。

そう思い、たどり着いたのが、ラジオ体操だった。 

ラジねえ。:コロナで運動不足の人が多い中で、私ができることってなんだろうって考えた時に、みんなでできるラジオ体操、意味のあるラジオ体操を教えることで、健康をサポートできたらいいなと思って始めたのがきっかけ。

■「期待してなかった、でも大丈夫だった」障害を乗り越え一つに

ただ体を動かすだけではない― 。

参加者同士、心でもつながることができるのが、ラジオ体操だというのだ。 

同じ動きを共有しあうことで、一つになれる。 

ラジねえ。の体操は、障害や言葉を乗り越え、参加者たちからも自然と笑みがこぼれる。 

聴覚障害者:私、全然期待して来なかったんです、きょう。こわごわ来た。でも大丈夫だった。

聴覚障害者:ラジオ体操は難しいのかなと思ってたんです。知らないから。聞こえへん、でも頑張って楽しめてた。体動かすこと好き。

■万博でラジオ体操 オンラインでも世界中の人をつなぐ

地道にラジオ体操の普及につとめてきたラジねえ。 

そんな活動が評価されてか、4月に開幕する大阪・関西万博の期間中、およそ1万6000人が入るアリーナで、ラジオ体操をすることになったのだ。 

万博では来場者だけでなく、オンラインでも世界中の人をつなぎ、できるだけ多くの人が一斉にラジオ体操をすることを目指している。 

スタッフ:全体的な規模感と機材周りのことがあるので、その辺をどう調整できるんかな。 

スタッフ:朝から、何千人ってラジオ体操に集まってくるって想像つかない。

ラジねえ。:楽しみですけど、準備とか調整とかめちゃくちゃ大変。ワクワクは常にあるんですけど、形にするのは、それだけの努力も必要だと思う。イベントが成功するよう、みんなで頑張っていきたい。

■「元気なると思うほんまに」海外留学生も笑顔に 「人とつながる楽しさを体感してほしい」

そもそもラジオ体操は、世界の人に受け入れられるのか―。

海外留学生が集まるイベントで、ラジオ体操を体験してもらうことに。 

ラジねえ。:私たちは『ラジオ体操家族ラジーン』です。ラジオ体操、今からみんなでやっていきます。

初めはぎこちない動きだった留学生だったが、すぐに笑顔が広がった。

(Q.やったことは?)
ベトナム人留学生:ないです。簡単ですよ。見てやってみたら簡単でした。

ネパール人留学生:暇な時間にやったら、元気なると思うほんまに。

ベトナム人留学生:難しいですけど、楽しいです。

ラジねえ。:ラジオ体操が一番、万博でみんながつながれるツール。世界のみんなが笑顔になって、無心で体動かすことの楽しさとか、人とつながることの楽しさを体感していただけたらいいな。

日本でしか定着していないラジオ体操が、大阪・関西万博で世界中に広がるかもしれない。 

(関西テレビ「newsランナー」2025年1月8日放送)

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