野球への情熱と諦めない心で、地元の独立リーグからプロ野球へ。東京ヤクルトスワローズにドラフト5位で入団した愛媛マンダリンパイレーツの矢野泰二郎選手(22)が、強肩と鋭い状況判断力を武器に日本一のキャッチャーを目指す。
独立リーグで実力磨きプロの舞台へ
身長179cm、体重80kgの恵まれた体格を持つ矢野泰二郎選手(22)。

その最大の武器は、2塁までの送球が1秒台という強肩だ。
状況判断に優れた守備も持ち味で、昨シーズンはその守備力に加えバッティングでも大きな成長を見せ、リーグ戦で初めて打率3割をクリアするなど勝負強さを発揮。攻守の要として8年ぶり年間総合優勝に貢献した。

62試合で打率.303、4本塁打、19打点、出塁率.391という好成績を残し、ベストナインにも選出された。

矢野選手は「小さい頃から本当にプロ野球選手になることが夢だったので、本当になれたという実感が湧いてきている中で、本当にうれしいなという気持ちです」と、夢を実現した喜びを語る。しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。
挫折と苦難…諦めなかった夢への道
愛媛・済美高校卒業後、矢野選手が“夢への最短距離”と信じて選んだのは、地元の独立リーグ・四国アイランドリーグplusの「愛媛マンダリンパイレーツ」だった。

矢野選手は「独立リーグというのはプロ野球の3軍や2軍のチームと試合するというところで、近くにプロ野球という存在がいるところでプレーしたいなと思っていたので選びました」と語る。
しかし、プロへの道のりには想像以上の険しさが待ち構えていた。
ルーキーイヤーは開幕直後に右肩を負傷。2年目はレギュラー争いに敗れ、3年目にもひじを痛めるなど、満足な結果を残すことができなかった。

矢野選手は「もう本当にやめようと思ったこともいっぱいありましたし、自分は本当にけがが多くて、やっぱり無理なんかなというのは本当に思ったこともあった」と、苦難の日々を振り返る。

それでも、夢を諦めることはなく、「家族や知人から頑張れとかいろいろ応援の言葉をいただいた時にやっぱり頑張らないといけないなっていうのはあって、そこで踏ん張れたというか、絶対になってやろうという気持ちを忘れずやってました」と語った。
日本一のキャッチャーを目指す
けがを乗り越え迎えた4年目のシーズンでは、初めてトレーナーをつけて肉体改造に取り組み、バッティングフォームも見直した。

矢野選手は「やっぱり小さい頃からずっと野球やってましたし、だから毎日野球と関わらないと、何か嫌な存在というか」と、野球への深い愛着を語る。
さらに「本当に野球って正解がない。どんな打ち方をしようが、どんな投げ方をしようが、打てばいいし、アウトにしたらいいので、本当に形がないというか、正解がないので、自分の中でオンリーワンを目指してやっています」と、語った。
真剣に野球と向き合い切り開いたプロへの道。矢野選手は高い志を胸に日本最高峰の舞台での活躍を誓う。

矢野選手は「本当に死ぬ気でまずは野球に取り組んで、練習も頑張って1軍で活躍したいです。キャッチャーとしていち早くレギュラーを取って、日本一になって胴上げしたいです」と、高い志を掲げる。
日本一のキャッチャーへ。独立リーグから夢をつかんだ若きアスリートの新しい挑戦が始まる。
(テレビ愛媛)