鹿児島県垂水市の中学生ソフトテニス選手が、全国でわずか20人しか選ばれない日本代表チームに名を連ねた。垂水中央中学校3年、鎌田帆南選手(どんぐり垂水ソフトテニスクラブ)だ。彼女の最大の武器は「フォアと同じ威力を持つ」と自らも語る強烈なバックハンドショット。地方の中学生が日の丸を背負うまでの軌跡と、その強さの秘密に迫る。
垂水から日本代表へ——選出のきっかけとなった準優勝
2025年11月、宮崎県で開催されたジュニアジャパンカップU14女子シングルス。鎌田選手はこの大会で準優勝という結果を残し、その実力が全国に認められた。

この成績が評価され、2026年度の全日本U-14チームメンバーに選出。全国から選ばれるのはわずか20人という狭き門をくぐり抜けた形だ。鹿児島県垂水市という地方の小さな町から日本代表が誕生したことは、地域のソフトテニス界にとっても大きな出来事である。
鎌田選手が所属する「どんぐり垂水ソフトテニスクラブ」は、垂水市を拠点に練習に励む女子中学生のチームだ。日々の積み重ねがこの快挙につながった。
ソフトテニスならではの駆け引き——風とカットサーブ
そもそもソフトテニスとはどのような競技なのか。硬式テニスとの大きな違いは使用するボールにある。ソフトテニスでは硬式テニスの半分の重さのゴム製ボールを使用するため、風による軌道変化が非常に大きい。

鎌田選手はこの特性を競技の醍醐味として捉えている。
「カットを使ったりとか風があったらボールが変化するので、そういうところがソフトテニスならではだと思う」
風を味方につけ、さらに横にバウンドさせて相手のリズムを崩すカットサーブも多用される。単純なパワーだけでなく、こうした頭脳的な駆け引きもソフトテニスの大きな魅力だ。
最大の武器——「バックがフォアと同じ威力」
鎌田選手の最大の強みは、強靭なバックハンドショットにある。多くの選手がバックハンドを苦手とするなかで、鎌田選手はそれをむしろ得意として武器に磨き上げてきた。
「バックがフォアと同じくらいの威力を持っていると思う」

狙った場所に強く、正確に打ち込む。左右に相手を揺さぶりながらポイントを積み重ねていくプレースタイルは、このバックハンドの存在なしには成立しない。
ダブルスでも光る後衛としての貢献
ダブルスでは後衛を担当する鎌田選手。ここでも持ち味は存分に発揮される。ラインぎりぎりにバックハンドで打ち込み、相手の後衛を後退させる。その結果、前衛が攻撃しやすいスペースが生まれ、ペアとしての得点につながる。
「いつでもバンバン攻めて、その後に前衛に決めてもらうというのがペアとしての持ち味だと思う」

自分が崩し、仲間が決める。チームとしての役割を明確に理解したうえで、自分の強みを最大限に活かすプレーは、中学3年生とは思えない成熟さを感じさせる。
最後の全中へ——目標は「団体優勝」
日本代表にも選ばれ、どんぐり垂水ソフトテニスクラブで過ごす最後の1年となる2026年。鎌田選手が掲げる目標はただ一つだ。
「このどんぐり垂水で最後の全中(全国中学校ソフトテニス大会)で団体優勝。調子が良い悪い関係なしに、ずっと安定したプレーができるよう頑張りたい」

個人の栄冠より、チームでの全国制覇を最優先に据える姿勢が印象的だ。全国中学校ソフトテニス大会は2026年8月、島根県で開催される。垂水から生まれた日本代表が、チームメイトとともに頂点を目指す夏がやってくる。
【動画で見る▶垂水市の新星 ソフトテニス鎌田帆南、全日本Uー14代表に選出「強打のバック」照準】
