16日、アメリカのトランプ次期大統領は実業家のジョージ・グラス氏を、新たな駐日大使に指名した。
グラス氏は、トランプ氏に多額の献金をしていて、過去にポルトガル大使を務めた経験もある。
トランプ氏は、ビジネス感覚を発揮することを期待している。
駐日大使にグラス氏指名…ビジネス感覚発揮に期待寄せる
アメリカのトランプ次期大統領は16日、SNSで次の駐日大使に実業家のジョージ・グラス氏を指名すると明らかにした。

グラス氏は、投資銀行や不動産業を立ち上げた実業家で、第1次トランプ政権ではポルトガル大使を務めた。
2017年に連邦議会上院に提出された報告書では、長男のゴードン氏が妻とともに日本に住んでいると紹介していた。

グラス氏は、トランプ氏の大口献金者の1人で、11月の大統領選挙では資金集めパーティーを開くなど、トランプ氏を資金面で支えてきた。
トランプ氏は、声明で「ジョージはビジネス感覚を大使職でも発揮してくれるだろう」と期待を寄せている。
日本をビジネスの相手として期待か
ここからは、フジテレビ・立石修解説委員室長が解説する。
青井実キャスター:
ーー日米関係のカギを握る駐日大使に「ジョージ・グラス」氏を指名しました。ただ、日本ではほぼ知られていない人物ですが、このトランプ人事どう見ればよいですか?

立石修解説委員室長:
グラス氏は、一見するとアメリカ映画に出てくる優しいお父さん役のようですが、トランプ氏にとって重要な人物です。実は今回の大統領選挙、資金面でトランプ氏は民主党に水をあけられ、苦労していました。
そういう中で、グラス氏は多額の献金を行い、資金調達の担当としても、トランプ氏を支え続け、勝利に一役買った人物です。そのようなつながりの深い人物を日本大使に配置したということは、日本との関係を重視しているとみていいと思います。また対中強硬派で、トランプ氏とも考えが近いんですよね。
青井キャスター:
ーートランプ氏が、実業家であるグラス氏を日本大使に任命した意味合いは何でしょうか?
立石解説委員室長:
グラス氏は、投資銀行や不動産業などで成功してきた人物です。トランプ氏も「ビジネス感覚を大使職に持ち込んでほしい」と期待をしています。とにかく日本に「ビジネス=お金」を期待しているのが大使人事から見えます。

立石解説委員室長:
大使任命と同じ日、17日の朝にトランプ氏は突如、ソフトバンクの孫正義さんとも会見に現れ、15兆円投資計画を発表し、世界中でニュースになりました。トランプ氏は少なくとも、日本をビジネスの相手としては見ています。背景に、アメリカの利益を最大にしたいという思惑があると思います。
青井キャスター:
ーー山口さんは、人事についてどう見ますか?
スペシャルキャスター・山口真由さん:
論功行賞人事という報じ方もあり、対中関係の延長線上に対日関係を見ているような、そういう人事にはやや懸念を覚えますね。
(「イット!」12月17日放送より)