しかも、食事でエネルギーを摂り過ぎている人の多くは、全摂取エネルギー量を100としたときにごはん、パン、麺類、お菓子などの糖質由来のエネルギーが60~70%を占めることが分かっています。

真っ先に手をつけるのが「糖質」

ですから、「脂肪肝を解消するために食事で何を減らせばいいのか」と迷ったときに、真っ先に手をつけるべきは、やはり糖質なのです。

みなさんも、脂肪肝を治してさまざまな病気のリスクを減らしていくには、脂肪よりも糖質をターゲットにして食事をコントロールすべきだということを、ここでしっかり頭にインプットしておいてください。

「脂肪肝は糖質の過剰摂取によって形成される」ということを示すもっとも分かりやすい例は「フォアグラ」です。みなさんご存じのように、フランスの伝統的料理で、キャビア、トリュフと並ぶ世界3大珍味のひとつですね。

あなたの肝臓もフォアグラ状態に!?(画像:イメージ)
あなたの肝臓もフォアグラ状態に!?(画像:イメージ)

フォアグラは、人為的に脂肪肝にしたガチョウの肝臓です。どうやってつくられているのかというと、ガチョウを飼育小屋に入れて、やわらかく蒸して消化をよくしたトウモロコシのエサを1日3回、専用の漏斗で強制的にガチョウの胃に流し込むのです。

エサは1回250gから始めて徐々に増やして500gにするのですが、そうするとガチョウの肝臓はわずか1か月で2kgに達するのだといいます。これで、脂肪でパンパンにふくらんだ肝臓=フォアグラの出来上がりです。

みなさんお気づきと思いますが、ここで重要なのは、ガチョウがトウモロコシだけをエサにしている点です。トウモロコシの粒はほとんど糖質で占められています。すなわち、ガチョウは糖質の大量投与で脂肪肝にさせられたのです。