鳥取・日南町が和歌山の作業服メーカーと農業研修生のユニフォーム導入に向けて連携協定を結んだ。世界的ブランド「PUMA」からライセンス契約を取得し展開する“かっこいい作業服”で、後継者不足に悩む農林業を“かっこよく”イメージアップを目指す。
後継者確保に向け農林業を魅力的に
11月29日、鳥取・日南町役場で、町と和歌山県の作業服メーカー「ユニワールド」で結ばれる連携協定の締結式が行われた。
この記事の画像(18枚)協定の目的は「魅力的な農林業の創造」。
連携して中山間地域の持続的発展を目指すといい、日南町の中村町長とユニワールドの江川真史社長が協定書に署名した。
ユニワールドにとって、自治体との連携協定は今回の日南町が初めてだということだ。
かっこいい農林業にはかっこいい服
面積の9割を森林が占め、農林業が基幹産業となっている日南町だが、人口減少や高齢化が進み労働力の確保が課題となっている。
そこで町は人材確保に向けて「かっこいい農林業にはかっこいい服を」と考え、ユニワールドに協力を打診した。
ユニワールドは1996年に創業し、作業服や安全靴などの開発・製造を手掛けてきた。
2022年、世界的スポーツブランド「PUMA(プーマ)」からライセンス契約を取得し、新たな作業服のブランド「PUMA.AT WORK.」を立ち上げた。
デザイン性と機能性を両立
その“かっこいい作業服”は、ボトムスからトップス、手袋や帽子まで、全てにPUMAのロゴマークがあしらわれている。
スポーツブランドらしく、シンプルで洗練されたデザインでまとめられており、試着した櫃田優果記者も「軽くて動きやすい。デザイン性だけではなく、機能性も重視されている」と、その“かっこよさ”を実感していた。
これらの作業服は日南町への就農を検討している農業研修生のユニフォームとして、2025年春から導入される。
また、林業用防護服の共同開発も検討していて、体格に合わないウェアを着用することが事故につながりやすいという全国的な課題の解消も期待される。
イメージアップで“林業の聖地”に
協定がうたう「中山間地域の持続的発展」に向けて、ユニワールド・江川真史社長は「若い方のモチベーションにつながればという気持ちで、従来からモノづくりをしている。日南町は“林業の聖地”というイメージが全国的に広がれば」と支援を約束した。
また、日南町・中村町長も「林業、農業をやってみたいというところにつながると期待したい。町づくりのひとつのキーワードになるのではないか」と農林業のイメージアップにも希望を込めた。
協定をきっかけに、町は農林業の人手不足の解消に加え、国内有数の“林業の聖地”として、新たな町おこしにつなげたいと意気込んでいる。
(TSKさんいん中央テレビ)