2024年の『ミス・インターナショナル世界大会』が11月12日に東京で行われ、熊本・宇土市出身の植田明依さんが日本代表として出場した。優勝は逃したものの、『ミス・アジアパシフィック』に輝き、地元の宇土市や衣装で協力してくれた山鹿市で、受賞を報告した。
宇土市役所ではパブリックビューイング
今回で62回目となる『ミス・インターナショナル世界大会』には、71の国や地域の代表が出場。日本代表の植田明依さんは熊本・宇土市出身の26歳。兄はプロサッカー選手でワールドカップロシア大会の日本代表メンバー・植田直通さんだ。

11月12日は地元の宇土市役所でパブリックビューイングがあり、宇土市の元松茂樹市長や、幼い頃から植田さんを知る市民など約80人が声援を送った。

審査は、外見的な美しさだけではなく、教養や人間性も評価される。植田さんがステージに登場するたびに、パブリックビューイングの会場は大きな歓声に包まれた。

審査の結果、植田さんは優勝は逃したものの、『ミスアジアパシフィック』を受賞した。植田さんのこれまでの努力にねぎらいの拍手が送られていた。

植田さんの親せきの伊藤よしこさんは「よかったです。涙が出ました。最後に残ったからよかったです。本人に『おめでとう』と言いたいです。ありがとう、幸せです」と話した。
「地元の良さを世界に発信する懸け橋に」
大会から3日後の11月15日、植田さんは宇土市役所を訪れ、保育園時代の担任・池田章子さんから花束が贈られた。

植田さんは地元からの応援に感謝の気持ちを伝え、今回の挑戦を「結果はトップ20、『ミスアジア』でしたが、(大会に向けて)2年半やってきて、やり切ったという満足感があります」と、振り返った。

宇土市の元松茂樹市長は「親善大使としても頑張っていただいている。宇土市の誇りとして今後も頑張ってほしい」とさらなる活躍に期待を寄せた。

植田さんは「教員として働いていたので、子どもたちに私の経験を還元していきたいというのが一番。宇土、熊本、日本の良さを世界へ発信する、世界との懸け橋になるというのも今の目標です」と話した。
民族衣装として選んだのが着物と山鹿灯籠
また、11月20日に植田さんの姿は山鹿市役所にあった。大会では、それぞれの代表が民族衣装を着用する審査も行われ、植田さんが選んだのが着物と山鹿灯籠だ。

大会前には、和紙と糊だけで作られた山鹿市の伝統工芸品『山鹿灯籠』の金灯籠を貸りるため、デザイナーの池田雅さんと山鹿市を訪れていた植田さん。

20日はアジアパシフィックの受賞報告のため、再び市役所を訪れ、舞台裏などのエピソードを交えて大会を振り返った2人。植田さんは名残惜しそうに、貸りていた灯籠を返却した。

山鹿市の早田順一市長は、いったんは灯籠を受け取るがここでサプライズ、「山鹿をPRしてだきましたのでこれをぜひ、植田さんにプレゼントしたいと思います」と金灯籠を植田さんに贈ることを決めた。
「実際に着用してみて見事に生かされた」
植田さんは「新たに購入したいと思っていたけど、一緒に戦ったこの子(灯籠)は本当に〈戦友〉なので、頂けるのはうれしい。つけたかった山鹿灯籠と日本の良さをPRできる着物をテーマにやってきたので、実際に着用してみてそれが見事に生かされた」と話す。

デザイナーの池田雅さんは「〈上品かつきれいな日本文化〉がテーマで、それに沿って柄・色・形・組み合わせを決めていった」と述べた。

金灯籠を受け取った植田さんは、山鹿市の八千代座で写真撮影を行い、国内外に発信していくということだ。そして、来年の目標はずっと出たかった8月の千人灯籠踊りに参加することだという。
(テレビ熊本)